歩行時の足部・足関節アライメント評価に関する研究

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タイトル別名
  • タブレット端末を用いた二次元動作分析の基準関連妥当性の検討

説明

<p>【はじめに,目的】</p><p></p><p>足部・足関節評価の重要性が指摘されているが,理学療法の現場において,客観的な評価は困難である。静的スクリーニングとしては,Foot Posture Index(FPI),Arch Height Index(AHI),Navicular Drop Test(NDT)などが用いられている。一方で,これらの静的な足部アライメントの評価は動的アライメントとの関連性は低いとする報告も見られる。したがって,足部・足関節の機能や病態を把握するためには動的アライメントを含めた評価を行うことが必要と考えられる。</p><p></p><p>臨床現場ではビデオカメラやダブレット等を用いた2次元動作解析が簡便であり,足部・足関節の動的評価にも利用できると考えられる。しかしその基準関連妥当性を検証した研究は見当たらない。本研究の目的は,3次元動作解析を外的基準とし,タブレットを用いた歩行時の足部アライメント評価の妥当性を検証することである。また,静的なアライメント評価であるFPI,AHI,NDTと足部の動的アライメントの関係についても検討を行った。</p><p></p><p>【方法】</p><p></p><p>健常若年成人30名(男性15名,女性15名)の右下肢を対象とした。安静立位と坐位でFPI,AHI,NDTを測定した後に,歩行の測定を実施した。対象者の下腿,足部に反射マーカーを貼付してmulti-segment foot modelを作成した。測定にはタブレット(iPad air2),3次元動作解析装置(VICON MX3)を用いた。タブレットは歩行路中央から130 cm側方から,右足部・足関節の内側を測定した。2次元解析,3次元解析ともに踵骨内側,舟状骨,第5中足骨頭に貼付したマーカーからアーチ高を算出した。</p><p></p><p>得られた各種評価の結果を比較し,2次元解析による動的評価の妥当性,静的評価と動的評価の関連性を検証した。2次元解析と3次元解析の比較では,MStとPSwの際のICC(2,1)を算出した。また,静的評価(FPI,AHI,NDT)と動的評価(3次元)の関連性については,Spearmanの順位相関係数を用いて分析した。</p><p></p><p>【結果】</p><p></p><p>FPI,AHI,NDTと歩行時の足部アライメント(3次元解析)には有意な相関関係を認めなかった(FPI,rs=0.07,P=0.700;AHI,rs=-0.35,P=0.060,NDT,rs=0.06 P=0.770)。2次元解析と3次元解析のICCは,中等度の一致度を認めた(MSt,ICC(2,1)=0.64,P<0.001;PSw,ICC(2,1)=0.66,P<0.001)。</p><p></p><p>【結論】</p><p></p><p>タブレットを用いた2次元解析による歩行時の足部・足関節の動的アライメント評価の妥当性が示された。先行文献と同様に,静的な足部アライメントと動的アライメントの関連性は低く,タブレットなどを用いた動的なアライメント評価の重要性が示唆された。今後,足部アライメントに異常を持つ症例を対象に研究を進めていきたい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680554651392
  • NII論文ID
    130005608498
  • DOI
    10.14900/cjpt.2016.0537
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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