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Mineralization and fluid inclusion studies on a Neogene skarn of the Ohori mine, Yamagata, NE Japan
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- Yokoro Yu
- Yamagata Uni. Sci.
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- Nakashima Kazuo
- Yamagata Uni. Sci.
Bibliographic Information
- Other Title
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- 山形県大堀鉱山における新第三紀スカルン鉱化作用および流体包有物
Description
大堀鉱山には層状鉱床(蟹ノ又鉱床)および鉱脈型鉱床(中ノ又鉱床など)の二種類の鉱床が胚胎され,前者は中新世の角礫凝灰岩に挟在する石灰岩層を交代した一種のスカルン鉱床として特異な存在である.地質および鉱床についての基礎的な研究は竹内ほか(1960)などにより行なわれているが,本研究は新第三紀スカルンの特徴をより明らかにするため,詳細な野外調査,露頭観察,多数の鉱石の観察, EPMA分析,XRD分析,流体包有物の観察を行なった. 鉱山周辺は新第三紀中新世の火山岩ないし火山砕屑岩などが分布し,これらに花崗岩類や粗粒玄武岩が貫入している.花崗岩類は中新世の貫入で,従来から本地域北部に露出することが知られていたが(北部岩体),鉱床と至近距離の蟹ノ又沢中流部でも小規模に露出するのを今回確認した(蟹ノ又沢小岩体).蟹ノ又沢小岩体中には鉄礬柘榴石を含む特徴的な閃緑岩が存在する.花崗岩類の流体包有物は均質化温度280-380℃,塩濃度は0.0-13.3wt%を示した.多くは気液二相包有物からなり,一般に北部岩体は気相包有物がやや卓越し,一方蟹ノ又沢小岩体は液相包有物がやや卓越する.また両岩体ともNaClあるいはKCl結晶を含む多相包有物が普遍的に見られる.本地域は広く熱水変質作用を蒙っており,鉱床に近い蟹ノ又沢中流から上流部はセリサイトが多い.緑泥石地質温度計(Zang and Fyfe,1995に基づく)は蟹ノ又沢小岩体付近が287℃と最も高温を示し,蟹ノ又鉱床の鉱化作用に関与した熱水系は蟹ノ又沢小岩体周辺に存在したと考えられる.鉱石鉱物は蟹ノ又・中ノ又両鉱床とも閃亜鉛鉱,黄銅鉱,方鉛鉱,黄鉄鉱からなり,いずれも東北地方の新第三紀鉱床に普通の組合せである.閃亜鉛鉱は一般的な白亜紀のスカルンよりFe,Cdが乏しく,東北地方の新第三紀鉱床に類似する.脈石鉱物は蟹ノ又鉱床が柘榴石,単斜輝石,緑簾石,バスタム石,方解石などスカルン鉱物を主体にするのに対し,中ノ又鉱床は石英脈を主体とし,東北地方における一般的な新第三紀鉱脈鉱床に類似する.スカルンは晶洞に乏しい細粒塊状の集合体をなし,粗粒の結晶は少ない.全体としてCa,Alを主成分に持つ単純な鉱物が多く,輝石や柘榴石もFeに乏しい.スカルンの流体包有物の均質化温度は石英277-327℃,方解石280-360℃である.珪灰石などの存在や流体包有物から,少なくとも鉱化作用の一時期は一般的な東北地方の新第三紀鉱脈鉱床よりやや高温であった可能性が高い.しかし,鉱物の種類・組織および化学組成,熱水変質,貫入岩が小規模で蟹ノ又鉱床と接触していないことなどの特徴から,一般的な白亜紀のスカルンほど強い交代作用が行なわれたとは考えにくい.したがって大堀鉱山の鉱化作用の大部分は一般的なスカルンと比べ低温・浅成で,一般的な東北地方の新第三紀浅熱水性鉱化作用に類似していると考えられる.
Journal
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- Abstracts of Papers Presented at the Annual Meeting of The Japanese Association of Mineralogists, Petrologists and Economic Geologists
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Abstracts of Papers Presented at the Annual Meeting of The Japanese Association of Mineralogists, Petrologists and Economic Geologists 2004 (0), 84-84, 2004
Japan Association of Mineralogical Sciences
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Keywords
Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680567579008
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- NII Article ID
- 130006960866
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed