高温高圧下におけるX線吸収法による玄武岩メルトの密度測定
書誌事項
- タイトル別名
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- In situ density measurements of basaltic melt at high pressure by X-ray absorption method
説明
はじめに高圧下での珪酸塩融体の密度は、地球内部でのマグマの移動を制約するうえで最も重要なパラメータの一つである。しかしながら、格子定数を持たないメルトの密度を求めることは容易ではなく、密度既知のマーカーの浮き沈みを利用した、浮沈法と呼ばれる方法で測定された、ごく限られた温度圧力条件での値を除けば、その値はほとんど知られていない。そんな中、Katayama et al. (1996)が、試料の密度とX線吸収との関係を利用し、金属メルトの密度を測定する新しい方法を開発した。この方法の一つの特徴は測定したい温度圧力条件での密度測定が可能である点である。そこで、本研究ではこの方法をシリケイトメルトの密度測定へ適用を試みた。X線が試料中を透過すると、透過してきたX線の強度(I)は次の式(ランベルト・ベールの法則)に従うことが知られている.I= I0×exp(-m×r×t)I0は入射X線の強度、μは試料のX線吸収係数、tは試料の厚さ、rは試料の密度を表す。ここで試料のX線吸収係数μ値と、試料の厚さt値が既知であれば、IとI0を測定することで、物質の密度rを求めることが可能となる。このことを利用して密度を測定するのがX線吸収密度測定法である。本研究では、試料の厚さtを求めるために、新しく、試料容器として単結晶ダイヤモンドの円筒を使用した。ダイヤモンドは変形しにくく円筒の形状が保たれるため、幾何学的に試料の厚さtを求めることが可能となる。また、ダイヤモンドのX線吸収係数が小さい点、シリケイトと反応しない点によっても測定が可能となる。方法実験は大型放射光施設Spring-8、BL22XUビームラインを利用しておこなった。高温高圧発生装置には同ビームライン設置のDIA型キュービックアンビルプレス(SMAP180)を、アンビルには先端6mm超硬アンビルを使用した。X線は25keVのモノクロX線を、2つのスリットを使い、0.1mm×0.1mmに絞ったものを用いた。強度I、I0の測定にはイオンチャンバーを使用した。出発試料には玄武岩組成のガラス粉末(SiO2-Al2O3-FeO-MgO-CaO-Na2O)を合成したものを使用した。実験の測定条件は1∼5GPa、27℃∼1600℃である。結果及び考察 結果については当日報告する。
収録刊行物
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- 日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集
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日本岩石鉱物鉱床学会 学術講演会 講演要旨集 2004 (0), 71-71, 2004
一般社団法人 日本鉱物科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680567597312
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- NII論文ID
- 130006960872
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可