エスニック・タウンの空間編成と景観特性
書誌事項
- タイトル別名
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- Spacial Formation and Landscape of Ethnic-town
- A Case Study on Los Angeles Metropolitan Area
- ロサンゼルス大都市圏を事例に
説明
アメリカでは1965年に移民法が改正された結果、1970年代以降、ヒスパニック系およびアジア系移民の流入が顕著となった。エスニック集団によるすみわけとエスニック・タウンは第二次世界大戦前からみられたが、新移民の流入に伴い、新たなエスニック・タウンが各地に分散的に形成されはじめた。都心外縁や郊外に形成された新たなエスニック・タウンの多くは、多様な経済活動と独自の生活文化がその景観に反映され活気に満ちている。民族的・文化的多様性に対するホスト社会の寛容さとそれに対する反発・軋轢とのはざまで、新たなエスニックタウンは自己の存在をアピールしているようにも見える。一方、都心型の古いエスニック・タウンは、インナ_-_シティの空洞化に伴う衰退を経験しつつも、都市再開発や歴史景観再生の動きなどとともに新たな局面を迎えている。エスニック・タウンは、ダイナミックな変化と多様性を創出し続けるロサンゼルス大都市圏の景観と都市機能を考えるうえで不可欠の要素といえるだろう。しかしエスニック・タウンの実態は極めて多様であり流動的である。また近年は、観光資源や地域資源、歴史景観としての評価、エスニック・シンボルとしての再認識など、エスニック集団ならびにホスト社会の双方にとって重要な意味を有している。 従来は、エスニック集団の社会的・経済的地位上昇に伴うエスニック・タウンの郊外化と都心部の衰退とが注目されてきたが、新たな移民集団の流入と都市空間の変容、産業の立地移動は、従来とは異なるエスニック・タウンの立地・成長プロセスを生みだした。 ますます加速するグローバル化の中で、エスニック・タウンは一層多様化し、都市景観に新たな要素を与え続けると同時に、独自なエスニック景観として表象されはじめている。
収録刊行物
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- 人文地理学会大会 研究発表要旨
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人文地理学会大会 研究発表要旨 2003 (0), 30-30, 2003
人文地理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680569371136
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- NII論文ID
- 130004596568
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可