土壌炭素動態モデルと長期観測データのデータ同化による土壌炭素分解率の温度依存性の推定

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タイトル別名
  • Estimating temperature sensitivity of soil carbon decomposition by assimilating a turnover model and long-term field data

抄録

陸上生態系の土壌は大量の炭素を蓄えている。地球環境変化に対する土壌有機炭素の反応、特に温暖化に対する反応は、その動態が炭素循環に重要な影響を与えるため、近年注目を集めている。特に、土壌の性質によって土壌有機物分解速度の温度依存性がどのように異なるのかという問題は、非常に重要な問題となっている。本研究では、土壌炭素動態に関する長期実験データ (9年間の畑圃場データ) を用い、将来の炭素動態予測に広く用いられているRothamsted carbon model (RothC) の温度依存性に関するパラメータをデータ同化した。方法としては、メトロポリス・ヘイスティング法とパーティクルフィルター法のハイブリッド法を用いた。その結果、土壌有機炭素の分解速度の温度依存性は、土壌の性質によって変わらないことが示唆された。さらに、将来予測において、我々は難分解性土壌有機炭素の温度依存性と二酸化炭素放出量に相関があることを確認した。また、RothCモデルのデフォルトパラメータは、将来の二酸化炭素発生量を過剰評価する可能性が高いことを示唆した。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680570194688
  • NII論文ID
    130005020761
  • DOI
    10.11345/japannctam.61.0.49.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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