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Investigation of actual conditions on wearing private clothes of children the first grade in elementary school
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- Fukuda Noriko
- Faculty of Education, Shinshu University
Bibliographic Information
- Other Title
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- 小学校における1学年児童の通学服(私服)の着用実態
- Form of clothes and wearing ability
- 着衣形態および着用能力を中心として
Description
【目的】 児童・生徒の基本的生活習慣自立年齢の遅滞や生活技術・技能の低下が教師によって多く指摘されている。被服の着用能力は様々な生活場面で要求され,年齢とともに発達し,自立するものと考えられ,人間の着用自立は着用者の精神的な自立を促し,自信につながるという指摘もある。そして,児童の心身の成長に大きな影響を与えることが近年注目されている。着用行動の自立やその指導に関しては,一般にこれまで就学前の子どもに注目されることが多く,主に一人で着衣を纏うという段階にとどまっていた。纏う行動に関してはボタンかけ技能や着脱技能についていくつか報告されている。しかしながら,狭義の着用能力が発達した後に,さらに高度な着用能力は向上し,整え技能も含めて美しくきちんと整えて着衣を纏う能力や環境や活動内容に適応させながら,着脱をしたり,着衣を変化させたりする能力という広義の段階に進むものと予想される。この広義の高度な着用能力に注目し,その実態を報告されたものはほとんど見当たらない。さらに,小学校低学年児童を対象とした着用実態について詳細な現状を明らかにされたものも見当たらない。小学校5・6年家庭科衣生活領域の被服の着用指導に関して,子どもたちの実態に対応した指導内容や指導方法を検討する基礎資料を得ることを目的とし,低学年および中学年児童の着用実態を明らかにしたいと考えた。そこで,本研究では,まず低学年のうち,いまだ着用技能の未熟な状態と予想される1学年児童を対象として,その着衣形態の特徴および着用能力の実態について明らかにすることを目的とした。<BR>【方法】 着衣形態と着衣の乱れについては,公立小学校4校の第1学年(6歳~7歳),4クラス140名(男児67名,女児73名)を対象とした観察調査を行った。調査は2000年6月から7月に行い,観察時間は概ね14時から15時ころの帰りの会で,約15分間とした。観察教室はそれぞれの所属学級教室とし,観察時の教室における平均気温は30.6℃,平均湿度は39.4%であった。観察は成人女子4名が教室の4箇所に立ち,児童1名づつの着衣形態を記録紙に記入した。主な観察項目は服種,あきの有無・位置,着衣の乱れ部位であった。 着用能力については,公立小学校28校の第1学年担当教諭を対象とした郵送による配票調査を行なった。調査期間は1999年10月であった。有効回答数は108名で,有効回収率は92.3%であった。児童の問題着用行動に関する観察頻度について,よくみかける5点,ときどきみかける3点,ほとんど見かけない1点の5段階択一式で回答を得た。主な調査項目は,1) 正しく着衣を身につけることができない行動 2) 環境や活動に応じて着衣を調節できない行動 3) 身体寸法に合った着衣を選択できない行動 4) 脱いだ着衣を管理できない行動の4項目とした。<BR>【結果】 着衣形態については,主に上衣と下衣に分けて分析した。上衣は67%がTシャツであり,最も多く着用されていた。続いて,ポロシャツ,タンクトップであった。このことから,ニット素材で伸縮性の大きい服種を上衣として着用している傾向が明らかとなった。上衣のあきについては,服種と関連して,着衣にあきがなく着脱の際にあきの開閉不要な着衣が全体の79%であり,ほとんど手や指の操作なしに着衣している傾向がうかがえた。あきのある着衣の場合,そのほとんどは前身頃・部分開き・ボタン留めであることがわかった。下衣は75%がズボンであり,最も多く着用されていた。このことから,下衣として,女児もその運動し易さが支持されて,スカートよりもズボンを着用している傾向が明らかとなった。下衣のあきについても,ウエスト部は伸縮性の高いゴム構造で,上衣と同様に,着脱の際にあきの開閉不要な着衣が全体の62%であった。あき部のある着衣の場合,そのほとんどは前身頃・ファスナー留めであることがわかった。着衣の乱れについては,下着のはみ出しが25%の児童で観察された。はみ出しは襟部と上衣裾部に多く観察され,はみ出しが観察された児童の14%はその両方部位に,61%は襟部に観察された。上衣の乱れは裾部に最も多く観察された。裾部の乱れが観察された児童の64%は後ろ身頃部位であった。 着用能力については,各問題行動項目の平均得点を算出したところ,_正しい着装に関しては「紐がほどけたまま」3.6点,「ねじれたまま」3.1点,となりこれらの問題着用行動の観察頻度が大であることがわかった。さらに,脱衣に関しては「たためない」3.2点,「脱ぎ散らかしたまま」3.1点となり,脱衣の管理能力不足行動も観察頻度が大であることがわかった。
Journal
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- Research abstracts on the annual meeting, regular meeting and seminar of the Japan Association of Home Economics Education
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Research abstracts on the annual meeting, regular meeting and seminar of the Japan Association of Home Economics Education 48 (0), 2-2, 2005
The Japan Association of Home Economics Education
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680570240896
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- NII Article ID
- 130006961167
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed