家庭科·保育教育における乳幼児体験学習に関する研究 (第1報)

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • —小·中·高等学校の教室において乳児期一親子と継続的にかかわることを取り入れた授業実践の試みから:小学校—

抄録

目的:これまで家庭科の保育教育の体験学習においては、生徒が幼·保育園を訪問する方法がほとんどであった。それも、中学校と高等学校においてであり、幼児が対象であった。そこで、本研究では、カナダのメアリ·ゴードン氏の取り組みをヒントに、(1)乳児に、(2)3回以上継続して、(3)親子で、(4)教室へきてもらい、その効果を確かめること、しかも、中·高だけでなく、(5)小学校においても実践し、保育教育の発達過程における関連性を捉えることを目的とした。<BR>方法:仮説としては、(1)と(2)で、発達理解が深まり、(3)で、親の立場に目が行き、(4)で、クラスに共通の理解と、異文化の来訪による教室の雰囲気の変化と(3)と連携して特定の乳児への愛着の形成、(5)で小学生からの関連性が捉えられることを挙げた。具体的には、2001年9月から12月初旬の間に、小中高とも、約1ヶ月おきに3回(一回約45分から90分)同一クラスに同一乳児(初回が4ヶ月∼7ヶ月)の親子に来室願い、1回「出会い(泣きの意味)」、2回「子どもの発達を見る目」、3回「子どもとかかわる」でカリキュラムを立てて実践し、効果を、子どもの授業中·後の表現等で分析した。<BR>結果:小学生は、戸惑いながら乳児を観察し、1ヵ月後の発達的変化に驚き、やがて、自らかかわろうとしていくという変容が観察された。このことが、次の自己の発達や生き方と結合する中学段階の前提となるのではないかと示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680570996864
  • NII論文ID
    130006961366
  • DOI
    10.11549/jhee.44.0.21.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ