家庭科·保育教育における乳幼児体験学習に関する研究 (第2報)

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タイトル別名
  • —乳児期一親子と継続的にかかわることを取り入れた授業実践の試みから:中学校の場合—

抄録

平成13年10月4日から3週間おきに静岡大学教育学部附属島田中学校において、乳児期一親子と教室でかかわる授業実践を行った。これによって今までの保育所·幼稚園訪問による保育実習では見られにくかった変化が中学生に表れた。まず、成長の速い乳児と継続的にかかわることで、発達を目の当たりにし、発達の確かな知識を身につけることができた。また、親子とかかわることにより、親を客観的に見る機会ができ、育てることの苦労はもちろん、喜びを知り、自分が親になることを考え、また、育てられてきたこと、育てられていることへの感謝の意が表れた。さらに、自分が親に愛されていることを実感する生徒の姿も見られた。そして、中学生特有の変化は、一つは、乳児の一生懸命に生活する姿を知ることから「乳児は何もできない弱いもの」という認識が改まり、乳児への対等性、尊敬の態度が育ち、子どもの立場に立って考える姿勢が身についたことである。もう一つは、人間とは何か、いのちとは何かを深く考え、独自の人間観、生命観を築いたり、現在の自分の生き方や人とかかわる上で大切なことを見直し、これからを生きる意欲が高まったりしたことである。人間観、生命観、人生観の形成は、自分を見つめる時期の中学生特有の表れである。ありのままの姿をさらけ出して生きる乳児に、この時期に出会えたことが、生徒にこのような影響をもたらしたと考える。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680570998016
  • NII論文ID
    130006961367
  • DOI
    10.11549/jhee.44.0.22.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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