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A study of curriculum development on 'the global society and family'
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- SAITO Mieko
- Kawamura Women's University
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- MOCHIZUKI Kazue
- Japan Women's University
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- OHMOTO Kumiko
- Osaka Kyoiku University
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- MATSUOKA Eriko
- Osaka Seikei College
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- KAWAMURA Megumi
- Bunka Gakuen University
Bibliographic Information
- Other Title
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- 「グローバル社会と家族」のカリキュラム開発の検討
- 家庭科「家族」の授業構想
- A survey of the Home Economics curriculum plans in the field of 'family'
Description
【研究目的】<br><br> 近年のグローバル化により、多様な商品が手に入り国境を越えて世界の情報、労働力や政治が影響を与えあう一方で、市場原理主義が進行し、格差の拡大や食品の安全性確保の問題、地域の伝統文化やまちの衰退などが深刻化している。また、経済効率を優先するあまり、衣・食・住・育児・介護などにおける家族の暮らしの営みが正当に評価されず、家族の脆弱性が強まっている(岡野2012)。<br><br>これまで日本では、家族や地域の支えあいによって家族の暮らしを営んできたが、グローバル化の進行とともに家族モデルが揺らぎ急速な変容を見せている。少子高齢社会における単身家族の増加、家族が地域社会から孤立する懸念もある。子どもの貧困と女性の貧困の連鎖、ひとり親家庭の子育ての困難、児童虐待、DVなどの問題が顕在化し、家族への社会的支援の重要性が増している。<br><br>他方、国境を超えた生殖技術による子どもの誕生や、家族の営みを担う国外労働者の流入、移民家族、国際結婚など、構成員が異なる文化的アイデンティティをもった家族は身近なものとなっている。教室にいる生徒たちの家族もさまざまである。改めて多様性を生きる家族のあり方が模索されている。<br><br> このような変容に対応するために、家庭科「家族」の授業カリキュラム開発にグローバルな視点を導入し、家族への社会的支援や多様性を生きる家族のあり方を検討する必要がある。本研究は、グローバルな視点を導入した家庭科「家族」の授業カリキュラム開発のための示唆を得ることを目的とする。<br><br>【研究方法】<br><br>1.グローバル化と家族に関する文献を収集し理論的整理を行う。<br><br>2.現在実践されている家庭科「家族」の授業を参加観察し、談話分析や授業空間分析などによって分析し、変容する家族への社会的支援や、多様性を生きる家族のあり方がどのように探求されたか、子どもたちが身につけた知識、技能、資質、能力を評価しカリキュラム開発の課題を見出す。<br><br>【結果】<br><br>先行研究では国立情報学研究所の文献検索(2015.4.4現在)によると、「グローバル,家族」では129件の論文があり、越境する家族問題が中心となっていた。「グローバル,家庭科」では10件で、消費生活や地域の伝統と文化に関する授業開発があった。「家庭科,家族」では617件で、家庭科における「人との関係性」を教育する理論としてケアリングに着目した研究や、多様化する家族の取り上げ方に関する研究があった。グローバル化をテーマにした授業実践の多くは、グローバル社会において活躍し貢献できる人材育成の教育や多文化共生社会を実現するための国際理解教育であった。グローバルな視点を導入した家庭科授業カリキュラムは端緒についたばかりといえる。フェミニズム政治学者岡野八代氏を講師に「グローバル社会と家族」に関する研究会を実施し、世界比較学会会長のカルロス・アルベルト・トレス教授のGlobalization and Education 公開講演会に参加した。岡野氏からはグローバル社会の両義性から家族を考えること、及び、ケアの視点を、カルロス氏からはグローバル・シティズンシップ教育の視点について示唆を得た。小学校家庭科の授業実践を分析した結果、第一に、家庭科で学んだ知識と技能を関連づけ意味づけることが重要であることが示唆された。第二に、学校関係者の社会的支援が授業を可能なものとしたことが見いだされた。第三に、家族の多様性と重要な役割に気づく教材が必要であること。第四に、教材を媒介に授業空間デザインと道具(アーティファクト)を有効に用いることが示唆された。<br><br> <br><br>*なお本研究は、日本家庭科教育学会課題研究(1-3)による研究の一部である。
Journal
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- Research abstracts on the annual meeting, regular meeting and seminar of the Japan Association of Home Economics Education
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Research abstracts on the annual meeting, regular meeting and seminar of the Japan Association of Home Economics Education 58 (0), 16-, 2015
The Japan Association of Home Economics Education
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680572518912
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- NII Article ID
- 130005485043
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed