「継続的な食生活の改善に繋がるお弁当つくり」を目指す授業実践
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- 安部 明美
- 神奈川県大和市立鶴間中学校
書誌事項
- タイトル別名
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- Practice of class for “preparation of lunch box that brings about continuous improvement of eating habit”
抄録
1.背景と目的<br>社会環境が大きく変化する中、食に関する子どもたちの価値観やライフスタイルの多様化が進み、健全な食生活を実践することが困難な場面も増えてきている。子どもたちが自分の食べ物を自分で作るという意欲を高め、継続的に食生活を改善していける主体的な力をつけることがより一層求められている。また、食育では、体験的に実感を持って「食」の大切さを学ぶ活動が重視されており、平成33年より全面実施される学習指導要領においても引き続き、「食育の充実に資するよう配慮すること」とされている。<br>そこで、本研究では、弁当箱という限られた空間の中に、栄養バランス、いろどり、調理法や味のバランス、季節感等、多様な観点を組み合わせて盛り込むことができるお弁当つくりに注目した。 <br>弁当つくりの教育的効果についてはこれまでも多くの先行研究があるが、本研究では、弁当の計画・調理・発表(発表用のスライド作りを含む)までの一連の過程において、子どもたちが考える弁当つくりの重要な観点と改善プランに表れているキーワードの分析を行い、弁当つくりを通じて子どもが身につけた知識や技術を明らかにする。そして、「継続的な食生活の改善に繋がるお弁当つくり」を可能にする指導とはどういうものなのかを検討することを目的とする。 <br>2.方法<br>授業日時: 2016年12月~2017年2月<br>対象:神奈川県公立中学3年生4クラス122(男:68、女:54)名<br>内容:事前学習として、厚焼き卵についての知識を学ばせた後、実際に厚焼き卵を作らせ、その感想を書かせた。その後、1クラスを8グループに分け、話し合いを行って弁当のメニューを決定し、実際に弁当をつくらせた。その過程を、「弁当のおすすめ」「工夫したところ」「苦労・失敗したところ」「改善プラン」を発表用資料としてまとめさせた。<br>分析方法:厚焼き卵実習の感想、及び発表資料の中からキーワードを抽出・集計し、出現頻度数の上位5位までを検討した。<br>3.結果と考察<br>厚焼き卵実習の感想のキーワードを分析した結果から、厚焼き卵つくりは、今後の家庭での実践意欲につながり、弁当実習に実践したことを生かしたいという子どもたちの意欲を感じ取ることができた。また、食べ比べすることで、様々な味の違いを知り、美味しいと感じる子どもがいることがわかった。<br>発表資料のキーワードを分析した結果から、おすすめについては、旬の食材を活用し、栄養バランスと彩りが良く、美味であることが挙げられる。弁当の調理実習を振り返って、失敗・苦労したところは、分量の配分の他、加熱や調味を中心とした調理法全般にわたる。見直したいところは、調理法以外に栄養のキーワードが抽出された。改善プランでは、綿密な計画を立て、栄養バランスを考え、調理時間の短縮を図りながら、分量の調整や調味の工夫などの調理法の工夫の必要性を述べている。2つの分析から、厚焼き卵作りは、次の弁当作りの意欲向上に役立っており、各自が自覚と責任を持って活動し、グループでの学びあい活動を経て、好奇心や探究心が育成されたと考えられる。<br>4.今後の課題<br>本研究は、1校のみの実践であり、今後より多くの子どもたちを対象に行うことによって効果を検証する必要がある。技術科と連携し、栽培した野菜を弁当食材として、積極的に活用する方策を検討する。食育推進の視点から、栄養教諭および栄養士との連携も進めていきたい。
収録刊行物
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- 日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
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日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集 60 (0), 12-, 2017
日本家庭科教育学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680573037184
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- NII論文ID
- 130005966537
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可