LA-ICP-MSによる微量元素測定と三次元プロットを用いたルビーとブルーサファイアの産地鑑別について
書誌事項
- タイトル別名
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- Geographic Origin Determination of Ruby and Blue Sapphire using LA-ICP-MS and 3D-plot with Trace elements
抄録
宝石鉱物は母岩や産出環境といった地質学的な環境情報を保持している。宝石鉱物の構成成分を分析することは、その母結晶の地質環境、産状を特定することに繋がり、原産地鑑別における重要な情報となる。<br> 宝石鑑別ラボでは通常、元素分析には蛍光X線分析が用いられているが、軽元素の分析や検出限界に問題点があり、状況に応じてさらに高感度な元素分析が必要となる。<br> LA-ICP-MS(誘導結合プラズマ質量分析装置)は、軽元素を含む多元素同時分析による高速性とppb∼ppmレベルの分析が可能な高感度性能を持つ質量分析装置である。固体試料の測定にはレーザーアブレーションにより直径数10mm程度の極狭小な範囲を蒸発させる必要があるが、外部起源のBe拡散処理サファイアの鑑別には欠かせない新たな分析手法として宝石分野においても活用されるようになった。<br> 本研究はLA-ICP-MS分析法の宝石鑑別における応用例の一つとして、宝石コランダム(ブルーサファイア、ルビー)の原産地鑑別の可能性について検討した。また得られた結果への解析法として分析結果を三次元プロットに落とし込むことで産地間の差異がより明白となることが判った。<br> LA-ICP-MS装置は、レーザーアブレーション装置としてNEW WAVE UP-213、ICP-MS装置としてAgilent 7500aを使用した。また、データ解析用の 三次元プロットにはgnuplotを用いた。<br> 分析にはベトナム、カンボジア、タンザニア、マダガスカル、ミャンマー産のルビー、タイ、カンボジア、ナイジェリア、ラオス、中国、タンザニア、ミャンマー、スリランカ、マダガスカル産のブルーサファイア、総計○○個の原産地が明らかな試料を用いた。<br> マーブル起源のルビー(ベトナム、ミャンマー、タンザニア(モロゴロ))の識別には、Mg-V-Feの三次元プロットが有効であることが判った。また、玄武岩起源のブルーサファイア(カンボジア、タイ、中国、ナイジェリア、タンザニア産)をMg、Fe、Gaの三次元プロットが良い指標となることがわかった。<br> LA-ICP-MS法を用いた微量元素測定による産地鑑別は一部データがオーバーラップする部分もあるため常に確実な情報をもたらす訳ではない。詳細な内部特徴の観察や標準的な宝石学的特性等を併用して相互補充的に用いられるものである。また、精度向上のためには確実な産地情報を持つサンプルの収集によるさらなるデータベースの充実が必要不可欠である。
収録刊行物
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- 宝石学会(日本)講演会要旨
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宝石学会(日本)講演会要旨 37 (0), 11-, 2015
宝石学会(日本)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680573969664
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- NII論文ID
- 130005485098
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可