1920年代「ウィーン・キネティシズム」派に関する研究
-
- 角山 朋子
- 獨協大学非常勤講師
書誌事項
- タイトル別名
-
- The Use of Text in the "Vienna Kineticism"
- 文字を含むグラフィック作品にみる国際的アヴァンギャルドへの接近と世紀転換期モデルネの継承
- Between the avant-garde and the tradition of Vienna Moderne
説明
本研究は、1920年代前半の「ウィーン・キネティシズム」派(1920-1924頃)の活動実態、造形的特徴を明らかにし、両大戦間期のオーストリア・デザイン史の一端を解明する。キネティシズム派の担い手は、ウィーンのクンストゲヴェルベシューレの美術教育家フランツ・チゼックの生徒たちであり、多くが字体学者ルドルフ・フォン・ラリッシュにも師事した。リズミカルな動きや構成的表現を特徴とする絵画、立体、グラフィック作品は、同時代のアヴァンギャルド運動と通じたチゼックの装飾教育を基盤とした。さらに、文字を含む作品群には1900年頃に興隆したウィーン・モデルネの系譜をもつ独自の表現性が認められ、ここではラリッシュの字体教育の影響が色濃い。キネティシズム派の造形活動は国際性とローカルな伝統を内包し、1920年代前半の国家転換期のウィーンの多元的な文化状況を具現している。
収録刊行物
-
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集
-
日本デザイン学会研究発表大会概要集 64 (0), 156-, 2017
一般社団法人 日本デザイン学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680586033280
-
- NII論文ID
- 130006966520
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可