情報編纂(Information Compilation)の基盤技術

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  • ジョウホウ ヘンサン(Information Compilation)ノ キバン ギジュツ

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抄録

内容:情報の理解とそれへのアクセスを支援するシステムを構築する基盤技術を構築する.これは利用者の関心に基づいて,多量の情報をその意味内容の理解を通じて洗練・再構成する広い意味での言語理解技術と,それへのインタラクティブなアクセスを可能とするためのインタフェース構築技術を対象とする.例えば,多量のテキスト集合やマルチメディア文書集合へのアクセスにおいて,利用者の関心が与えられると,(1)その関心に関連する部分を抽出し,それらを情報内容の単位に基づいて再構成し,(2)再構成された情報内容の概観を可能とし,必要部分へのアクセスを容易にするための視覚的な情報を提示し,利用者のインタラクティブな情報アクセスを支援する.(1)は,現状の情報検索,情報抽出,自動要約を,意味理解・文章理解の観点を含めることで見直し,(2)はその意味理解に基づく可視化技術によって実現する.<BR>実現のプラン:初期の研究対象として,特定の事柄に関する時々刻々の状況や統計量の変化への関心を扱う.これらの情報を動向情報として整理すると同時に時点時点の状況とその変化を視覚的に表示することで,その概要の迅速な理解を可能とする共に,適当な時点のより詳細な情報へのアクセスを容易にする.例えば,人口動向への関心では,その動向を簡潔な文章とグラフ等の視覚的情報で提示すると同時に,人口が減少に転じた時点等,利用者の関心のある時点の情報に容易にアクセスする手段を提供する.このような動向情報を中心とした文章内容の可視化を,組織,意見(ある事柄への賛成,反対)等様々な意味的な軸に基づく視覚的空間に拡大していくことで,様々な情報の知的編纂と可視化を可能としてゆく.<BR>社会への貢献:情報洪水という言葉が既に古びたものと感じられるほど,情報過多は日常的な状況となり,社会はそれへの対応を迫られている.一方で,豊富な情報の存在はそれを利用する適切な手段が提供されれば歓迎すべき状況である.既存の情報を知的に編纂し,理解を容易にするとともにそれへの簡明なアクセス手段を提供することで,情報洪水を望ましい状況へと一転させることを目指してる.また,情報格差もその指摘があって久しいが,容易な情報アクセスを可能とするインタフェースの実現はこの問題の解消にも有効である.

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