滋賀県琵琶湖湖東地域における感染症媒介蚊の分布調査とその景観分析

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タイトル別名
  • Spatial distribution of vector mosquitoes and landscape analysis of vector abundance at eastern shore of Lake Biwa in Shiga prefecture, Japan.

抄録

2008年に琵琶湖湖東地域(彦根市,東近江市,安土町,近江八幡市)においてCDC型トラップで蚊を捕獲した結果,捕獲数に地域差が認められた.そこで定点間で生じる捕獲数の差異を,定点周囲の景観特性から検討するために,2009年には,住宅地が卓越する彦根市北部(地区A),沼が分布し,農地と住宅が混在する彦根市南部(地区B),内湖と農地が分布する西の湖周辺(地区C)の3地区を選び,計20定点で蚊の捕獲調査を実施した.調査はドライアイス1kgを用いたCDC型トラップで,5月29日から10月4日までの,3週間毎に2日連続で,計7回実施した.<BR> 定点間で観察されたトラップ当たり捕獲数の違いが,トラップ周囲の景観の違いによってどのように説明できるかを検討した.分析に当たってトラップ周辺のどれくらいの範囲を分析の対象とし,その範囲内のどの景観要素が重要な説明要因であるかを明らかにすることを目的とした.そこでトラップ設置場所を中心とする大きさの異なる8つの同心円(50~2,000m)を設定し,それぞれについて11個の景観要素を区別してその構成比率を求めた.景観要素の構成比率および地形条件とトラップ捕獲数の回帰分析を行い,トラップ捕獲数の定点間の違いを最もよく説明する円の大きさと構成要素を求めた.その結果,_丸1_コガタアカイエカの捕獲数では半径2km圏内の水田の構成比率,_丸2_シナハマダラカではトラップから半径500m圏内の湿地と農地の構成比率が重要な説明要因であることが示唆された.分析結果に基づき,琵琶湖湖東地域全体についてトラップによる捕獲個体数の推定を行い,吸血飛来ポテンシャルマップを作成した.<BR>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680597299840
  • NII論文ID
    130006980281
  • DOI
    10.11536/jsmez.62.0.6.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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