Larvae of family Piophilidae detected from a marrow space of the skeletal remains during forensic post-mortem examination

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  • 白骨死体大腿骨頭内からのハエ幼虫検出事例

Description

某年12月下旬に栃木県中部の山林内で白骨化した遺体が発見された.発見場所は西に面した斜面の雑木林で,落ち葉が堆積していた.法医解剖において,右大腿骨の大腿骨頭内から数十匹の虫体を検出した.大腿骨の長さは45cmで生前に形成されたと見られる損傷は無かった.また,法医学的に中年の成人男性と推定された.  採取した虫体は体長13.0 mm,体幅0.9 mmの白色虫体で,しばしば跳躍した.本虫は帯広畜産大学,岩佐光啓博士によりPiophilidae科(Diptera)の3齢幼虫と同定された. Piophilidae科は現在日本で5種記録されている(Iwasa, 1998).本科の幼虫は動物の腐肉などの動物性蛋白質を好む種が多く,動物の死骸や骨に発生することが観察されている.また,本科のチーズバエ(Piophila casei)は広く世界に分布し,幼虫は動物性食品や皮革製品に発生する産業害虫として知られる他,腸ハエ症を引き起こすことも報告されている.  本虫の骨内への侵入経路としては脈管孔が考えられる.脈管孔には1-2 mmのものもあり,本科の幼虫のみならず,微小な生物であれば容易に侵入できると考えられる.  遺体から検出される生物を解析することで死後時間の推定などの有用な情報が得られることがある.本事例から体表や軟部組織のみならず,骨の内部も法医昆虫学的な検索の対象となり得ることが示唆された.

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680597318656
  • NII Article ID
    130006980301
  • DOI
    10.11536/jsmez.62.0.68.0
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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