<I>Anopheles belenrae</I>の北海道における分布と形態的特徴

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タイトル別名
  • Distribution and Morphological Characteristics of <I>Anopheles belenrae</I> in Hokkaido.

抄録

Anopheles belenraeはシナハマダラカと同じhyrcanus種群に属するハマダラカで,韓国で採集された標本が2005年に記載された.韓国では三日熱マラリアを媒介することが知られている.本種は朝鮮半島および中国の一部の地域で分布が確認されており, 我が国においても2004年以降ほぼ毎年,北海道釧路湿原周辺で捕集されているが,それ以外の地域からの報告はない. 我々は,2011年7月,釧路湿原から西に約100kmの地点にある中川郡豊頃町の牛舎で,ハマダラカの雌成虫29頭を捕集した.捕集蚊はITS2領域の塩基配列に基づいて,すべてAn. belenraeと同定された.このことから,本種の分布域が十勝地方にも及んでいることが明らかになった.さらに,本調査で採集し 遺伝子解析により種の同定を行った本種およびエンガルハマダラカの標本を用いて,近縁の2種(シナハマダラカおよびエンガルハマダラカ)との形態的特徴を比較した.その結果 Costa上の翅脈斑(PP AD)/翅長値, 蛹における剛毛の分岐数,および Seta 9-V~VIIの幅/長さ値で,3種間に有意差が認められ,これらの指標を総合的に用いることで3種類の識別が可能であることが示唆された.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680597567488
  • NII論文ID
    130005478415
  • DOI
    10.11536/jsmez.64.0_54_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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