ハマダラカ属とイエカ属蚊の脂肪酸組成の特性について

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タイトル別名
  • Comparative study of the fatty acid composition between <I>Anopheles saperoi</I>, <I>An. stephensi</I> and <I>Culex pipiens</I> group

抄録

2種のマラリア媒介蚊Anopheles saperoi, An.stephensiとアカイエカ群の脂肪酸組成を比較した.以前我々はAn.stephensiの幼虫,蛹,成虫の脂肪酸組成を調べ,変態に伴って高度高級不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸 C20:5)やAA(アラキドン酸 C20:4)リノール酸(C18:2)等が増加することを報告した.今回はAn.saperoiの脂肪酸組成を検討しハマダラカ属の特性をさらに調べたところAn.stephensiと同様に変態に伴い高度高級不飽和脂肪酸の増加を認めた.一方アカイエカ,チカイエカの脂肪酸組成は羽化後の日数に伴って変動するが多く検出される脂肪酸はパルミチン酸(C16:0),パルミトオレイン酸(C16:1),オレイン酸(C18:1)であった.特にC16:1は増加が著しく50%近くに達することもあった.これらの結果からハマダラカ属蚊の脂肪酸組成はアカイエカ群とかなり異なると考えられる.またAn.stephensiは終齢幼虫から蛹への変態に伴いEPAが必要であること,また EPAの増加に伴って蛹期に変態ホルモンが増加するなどから,高度高級不飽和脂肪酸はハマダラカ属の幼虫から蛹への変態時に重要性が高いと考えられる.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680597666432
  • NII論文ID
    130005478592
  • DOI
    10.11536/jsmez.64.0_80_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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