液化炭酸ガス製剤のヒトスジシマカに対する野外での効力評価(1)-寺の墓地における効力評価-
書誌事項
- タイトル別名
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- Field evaluation of the liquified carbon dioxide formulation against the adult of <I>Aedes albopictus</I> (1) -Evaluation in the private temple grave-
説明
フェノトリンを1%(w/w)含有する液化炭酸ガス製剤(ミラクン®S)のヒトスジシマカ成虫に対する野外試験を、2009年8月および9月に本種が多数生息している静岡県沼津市内の寺院の墓地で実施した。効果は処理前と処理後の捕虫網を用いた8分間採集法で比較した。8月には4寺院の墓地を用い、その内の2寺院(寺院Aおよび寺院B)を対照区、2寺院を処理区(寺院C:面積1420m2:処理量0.88g/m2、寺院D:面積1423m2:処理量1.4g/m2)として実施した。その結果、寺院Cでは処理後30分、2、4、6および24時間後には捕獲されなかったが、2日後に8匹捕獲され、回復がみられた。寺院Dでは24時間後に1匹捕獲されたが、処理前と同様の数の捕獲数が得られたのは2日後であった。なお、処理を行わなかった寺院では、常に捕獲が認められた。9月に行った試験では、前回処理を行わなかった2ヶ所の寺院で試験を行った。寺院Bに処理(面積2469.2m2、処理量1.06g/m2)を行い、寺院Aは対照区とした。その結果、寺院Bで捕獲が認められたのは処理4時間後であったが、捕獲数は処理前の10分の1であり、処理前の数まで回復したのは8時間後であった。これらのことから、試験時の対象虫の生息密度や処理対象場所の環境条件などにより、効果に差が見られる可能性があるものの、フェノトリン含有の液化炭酸ガス製剤はヒトスジシマカ成虫に対して一定の飛来阻止効果が期待できると判断された。
収録刊行物
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- 日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
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日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 62 (0), 17-17, 2010
日本衛生動物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680597962624
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- NII論文ID
- 130006981135
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可