インドネシアにおいて牛糞上に見られるフンコバエ類(双翅目)の生物地理

書誌事項

タイトル別名
  • Biogeography of Lesser dung flies (Diptera, Sphaeroceridae) found on cattle dung in Indonesia

説明

インドネシアではジャワ島やカリマンタン島に野生牛バンテンが生息するが、本来家畜牛は生息していなかった。現在家畜牛は多くの場所で見られ、その牛糞は多くの昆虫の食物や採餌場として利用されている。これらの昆虫の由来はどこなのであろうか?家畜牛の移入とともに侵入してきたものなのか、あるいは土着の昆虫種が二次的に食性転換し、牛糞を利用しているのか?インドネシアにおいてこのことを調査した。インドネシア国内にはウォーレス線やウェーバー線といった動物地理学上重要な境界線を持ち、その線の東西で固有の生物相を持つことが知られる。演者らはカリマンタン島・スラウェシ島・ハルマヘラ島を訪れ、牛糞上で採集されるフンコバエ類を調査した。もし、これらの島々で土着種が二次的に牛糞を利用しているなら、フンコバエ相に差があると想像される。結果的に未同定の種を含め15種が牛糞上で採集された。同定できた種に関しては東洋熱帯に広く分布する種や汎世界的に分布する種がほとんどであった。このことにより、牛糞上で見られるフンコバエ類はヒトや家畜牛の移動とともに分布を広げてきた種であることが示唆された。 キーワード:フンコバエ類、牛糞、インドネシア、生物地理

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680598081664
  • NII論文ID
    130006981250
  • DOI
    10.11536/jsmez.60.0.24.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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