NCマウスにおける<I>Babesia microti</I>の実験的感染経過

書誌事項

タイトル別名
  • Experimental infection progress of <I>Babesia microti</I> in the NC mouse.

説明

NCマウスは、日本で古くより愛玩用として飼育されてきたニシキネズミを名古屋大学で実験動物化した系統で、アトピー性皮膚炎のモデル動物として使用されている。Babesia microtiのOtsu型に感染していた長野県の野鼠(アカネズミ)の血液を正常NCマウスの腹腔内に投与したところ、感染赤血球率は3週目に0.07%となったが、その後上昇せず、感染7週目には感染赤血球が確認できなくなった。7週目に、このマウスより眼採血し、あらかじめ脾臓を摘出したNCマウス(脾摘マウス)に腹腔内投与したところ、1週目には感染が確認され、感染赤血球率は3週目に14.5%、4週目に17%と急増したが、5週目以後は0.01%以下に激減した。次に、Kobe型に感染していた青森県の2頭のアカネズミの血液を脾摘マウスの腹腔内に各々投与したところ、3週目に感染が確認され、5週目には感染赤血球率がそれぞれ3.25および21.5%に上昇した。しかし、これらの脾摘マウスは6ヵ月後の観察で、感染赤血球を確認できなかった。以上のように、B. microtiはOtsu型およびKobe型共に、NCマウスに実験的に感染させることができたが、自然治癒する傾向にあり、1ヶ月に1度程度の継代を行う必要があると考えられた。なお、韓国のセスジネズミより得られたB. microtiのGray型は、NCマウスへの感染にいまだ成功していない。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680598207360
  • NII論文ID
    130006981428
  • DOI
    10.11536/jsmez.60.0.9.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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