Leishmaniasis in Central Eurasia

DOI
  • MATSUMOTO Yoshitsugu
    Department of Molecular Immunology, School of Agriculture and Life Sciences, University of Tokyo
  • SANJOBA Chizu
    Department of Molecular Immunology, School of Agriculture and Life Sciences, University of Tokyo
  • GOTO Yasuyuki
    Department of Molecular Immunology, School of Agriculture and Life Sciences, University of Tokyo
  • ARAKAKI Nana
    Department of Molecular Immunology, School of Agriculture and Life Sciences, University of Tokyo

Bibliographic Information

Other Title
  • 中央ユーラシアにおけるリーシュマニア症

Abstract

地球の地表面の広大な部分を占める沙漠、半沙漠を緑地化することにより食物生産を可能にする試みが世界的規模で行われている。ところが人類に恩恵をもたらすべき水、緑は同時に病原微生物およびその媒介者を含む多くの他の生物にとっても生存に有利となり、望まれざる新たな感染症の流行を来すことにもなる。中国新彊ウイグル自治区、トルコの東アナトリア地方、および中央アジア諸国では、ダム建設あるいは潅漑による沙漠の緑地化に伴い、昆虫媒介性の人獣共通原虫感染症であるリーシュマニア症の急激な増加が問題となり、早急な対策が迫られている。本症はリーシュマニア原虫(Leishmania spp.)を病原体とし、吸血性のサシチョウバエ(旧大陸ではPhlebotomus spp.)により媒介される。保虫宿主としてはイヌ科動物(イヌ、キツネ、ジャッカル等)および様々な野生げっ歯類(ハムスター、スナネズミ等)が重要である。ところが地域により、分布する原虫種、昆虫種、動物種も様々であり、その伝播様式、病型も多様である。従って本症のコントロールのためには地域ごとの詳細な疫学的情報が必要となる。演者らは中央ユーラシア各地におけるリーシュマニア症に関する疫学的調査、特に分子レベルでの解析にもとづき、病原体、媒介昆虫、ヒトを含む宿主動物の相互関係を多角的視野から明らかにし、本症対策の一助とすることを目的とし研究を行ってきた。ここでは再興感染症として近年注目を浴びている本症の、中央ユーラシアにおける現状と問題点について概説する。

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680599383424
  • NII Article ID
    130006982780
  • DOI
    10.11536/jsmez.54.0.72.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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