気候帯の異なる浄水場ろ過池に生息するユスリカ幼虫数の季節変化

書誌事項

タイトル別名
  • Seasonal abundance of chironomid larvae in slow sand filter bed

説明

緩速ろ過式浄水場は河川水をゆっくりとした早さで砂層を通過させ、飲料水を作る方式で、砂層表面に生物膜ができ、それが浄水に重要な役割を果たしている。ユスリカ類の幼虫にとって、浄水場のろ過池は、河川や湖沼などの自然の生息場所と比較して、極めて高い密度で生息可能なすみ場所の一つである。しかし、我が国においては、これまでに浄水場ろ過池のユスリカ類についての研究報告はほとんど無く、近年、Hirabayasi et al.(2001)が、ろ過池周辺におけるユスリカ成虫相を報告したものがあるだけである。本研究では、内陸性気候帯にある上田市染屋浄水場と亜熱帯性気候帯にある石垣浄水場とで月1回、試料を採集し、砂層表面のユスリカ幼虫数を計測した。いずれのろ過池でも春は幼虫の生息密度が低く、夏に向けて密度が高くなった。また、石垣浄水場の方が、染屋浄水場に比べ、幼虫密度が20,000匹/m2以上に達するまでの期間が短く、これには水温が関係していることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680599670656
  • NII論文ID
    130006983110
  • DOI
    10.11536/jsmez.54.0.45.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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