腰椎椎間板ヘルニアと腰部脊柱管狭窄症における筋断面積と腰椎アライメントについて
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説明
【目的】<BR> 腰椎疾患は発生頻度が高く病態も様々である。そこで今回、 なかでも腰椎椎間板ヘルニア(以下LDH群)と 腰部脊柱管狭窄症(以下LCS群) に着目し、大腰筋、腰椎後方筋群と、腰椎アライメントの関係について検討し報告する。<BR>【対象】<BR> 当院にてMRIとX線で撮影可能であった25例。うちLDH群13名(平均46.3±11.8歳)、LCS群12名(平均68.7±9.1歳)とした。<BR>【方法】<BR> MRI画像を用いてL4/5高位で横断された左右の大腰筋(以下Psoas)・腰椎後方筋群(以下PVM)断面積を測定した。またX線を用いて腰椎中間位側面像でL1椎体上縁とL5椎体上縁とのなす角を腰椎前彎角(以下LLA)として測定した。LDH群とLCS群でのPsoas、PVM、LLAの有意差と各群におけるPsoas、PVMと LLAの相関関係の有無について分析した。なお筋断面積は体重で除した数値を用いた。統計処理はt検定とPeasonの相関係数を用い検討した。<BR>【結果】<BR> LDH群ではPsoas断面積平均3.87±1.21cm2/kg。PVM断面積平均7.12±0.65cm2/kg。LLA21.6±10.5°。LCS群ではPsoas断面積平均3.58±0.86cm2/kg。PVM断面積平均7.60±0.84cm2/kg。 LLA平均26.7±8.0°。それぞれに有意差、相関関係はなかったが、LDH群においてPVM断面積に低値を示す傾向がみられた。<BR>【考察】<BR> LDH群とLCS群では有意差は認めなかった。しかし腰椎アライメントでは、疼痛や痺れなどの誘発姿勢や回避姿勢が相反するため、姿勢の違いからLLA角において両群間で差が生じる傾向が見られた。筋断面積では、加齢とともに低下傾向にあるとされている。 Psoasにおいては平均年齢の高いLCS群が低値を示す傾向が見られた。PVMにおいては、計測したL4/5高位のPVMは50%から80%多裂筋が占めているとされ、その機能は脊柱伸展のための強い筋出力よりも腰椎椎間関節の適合と腰椎の屈曲に抗した調和による脊柱の安定に関与するとある。 今回平均年齢の低いLDH群が低値を示す傾向がみられたことからLCS群に比べよりLDH群では多裂筋へ及ぼす影響が大きいことが示唆された。
収録刊行物
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- 九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 2009 (0), 46-46, 2009
九州理学療法士・作業療法士合同学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680600987264
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- NII論文ID
- 130006984505
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- ISSN
- 24238899
- 09152032
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可