吹矢は喫煙者の呼吸機能低下改善に有効か?
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- 永崎 孝之
- 九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 理学療法専攻 国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 保健医療学専攻 理学療法学分野
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- 岡田 裕隆
- 九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 理学療法専攻 国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 保健医療学専攻 理学療法学分野
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- 森下 志子
- 九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 理学療法専攻
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- 五嶋 佳子
- 九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 理学療法専攻
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- 濱田 輝一
- 九州看護福祉大学 看護福祉学部 リハビリテーション学科 理学療法専攻
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- 山本 広伸
- 国立病院機構福岡東医療センター リハビリテーション科
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- 彌山 芳之
- 国立病院機構長崎病院 リハビリテーション科
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- 高橋 精一郎
- 国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 保健医療学専攻 理学療法学分野
書誌事項
- タイトル別名
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- 著明な呼吸機能低下を呈した喫煙者の一症例
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説明
【はじめに】<BR> 我々は昨年度本学会において、健常者を対象に吹矢が呼吸機能のピークフロー改善に効果がある可能性を示した。今回は一症例ではあるが著明な呼吸機能低下を呈した喫煙者に対して吹矢を実施し、変化が認められたので考察を加えて報告する。<BR> 【対象】<BR> 日常生活に支障のない49歳男性、身長164cm、体重60Kg、喫煙暦は1日10-15本で29年間である。<BR> 【方法】<BR> 方法は前回と同様、市販の吹矢(LANARD TOYS社製POP DARTS)を使用し、約5m離れた的へ10本の矢を当てることとした。これを1日1回、週5回(土日を除く)、2週間実施した。呼吸機能はチェスト社製スパイロメーターHi-801を用い、吹矢実施前と実施2週間後(計10回施行)の2回、肺活量・一秒率・ピークフローを測定した。測定は3回行い最高値を測定値とし、吹矢実施前と実施2週間後の測定値を実施後/実施前の比率を用いて変化値とした。<BR> 【結果】<BR> 吹矢実施前の測定値は、VC 3.81L、%VC 105、一秒率63.23%、ピークフロー195.6L/min(標準値552L/min)で、一秒率およびピークフローに著しい低下が認められた。また実施後2週間後の測定値は、VC 3.89L、%VC 107.2、一秒率75.74%、ピークフロー586.2L/minで一秒率およびピークフローに変化が認められた。<BR> 【考察】<BR> 一般に喫煙者は長年の喫煙習慣により呼吸機能障害(特に努力性呼気)を呈することが知られている。今回の対象者も一秒率・ピークフローに低下が認められ、閉塞性障害が疑われた。今回吹矢を実施することにより、一秒率・ピークフローともに変化が見られ(変化値:一秒率1.19、ピークフロー2.99)、特にピークフローについては実測値で標準値を超える数値まで変化していた。また、健常人では見られなかった一秒率の変化も認められた。上記の結果を踏まえると、吹矢は喫煙者の呼吸機能低下、特に努力性呼気を改善する可能性があることが示唆された。しかしながら、1)一症例での検討であること、2)インターバルをおいての検討を実施していないこと、さらに3)数値の改善については対象者の所謂「慣れ」の可能性があること、等検討すべき課題があり、今回の結果のみで結論付けることは困難である。今後さらに検討が必要である。<BR> 【おわりに】<BR> 今回一症例ではあるが著明な呼吸機能低下を呈した喫煙者について吹矢を実施した。実施により一秒率・ピークフローともに変化が見られた。しかし手法等不十分な面も多いため、今後さらに研究の精度を上げ確実なものにして行きたい。
収録刊行物
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- 九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 2006 (0), 98-98, 2006
九州理学療法士・作業療法士合同学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680601220864
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- NII論文ID
- 130006984745
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- ISSN
- 24238899
- 09152032
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可