右変形性膝関節症と半月板損傷に対する姿勢と歩容の改善を目的とした理学療法アプローチについて

説明

今回、外側半月板損傷を伴った右外側型膝OAの症例を担当した。本症例の立位アライメントは、骨盤前方位-右大腿内旋-下腿外旋位(膝外反)、歩容は、右立脚初期から中期、大腿内旋し相対的に下腿外旋し、また同時期に体幹は右側へ傾斜していた。この歩容により外側大腿脛骨関節への剪断力と圧縮力ストレスが加わり、繰り返されることで膝関節外側構成体は損傷したと推測した。 正常歩行では立脚初期は大腿外旋するが、本症例の場合右側は大腿内旋している。これは大腿外旋筋である大殿筋の機能不全によるものと推測した。また、同時期の体幹の右側への傾斜は下部体幹機能低下であると推測した。矢状面での立位アライメントでも同様に、骨盤前方位であるため体幹前面筋は伸張、大殿筋は弛緩し、下部体幹筋群、大殿筋機能低下の状態であった。 アプローチは、下部体幹筋群・大殿筋機能を向上させ立位アライメントや歩容改善を目標に行った。結果、立位アライメントは骨盤前方位減少、歩容は右側立脚初期の体幹の右側への傾斜や右大腿内旋-下腿外旋パターンは軽減し右膝外側への力学的ストレスを軽減することができた。このストレスを軽減させる動作の獲得は、病態進行・疼痛再発予防につながると考えた。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680602379648
  • NII論文ID
    130006985861
  • DOI
    10.11496/kyushuptot.2002.0.92.0
  • ISSN
    24238899
    09152032
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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