無酸素による休眠発育の促進
書誌事項
- タイトル別名
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- Effect of anoxia on promoting diapause development
説明
卵休眠における胚発育停止の原因を卵内の酸素不足に求める説がある。その一方でウリハムシモドキ卵においては無酸素条件が休眠深度を浅くすることが判っている(Ando, 1978)。今回無酸素が休眠深度および休眠消去に及ぼす影響について詳しい調査を行った。ウリハムシモドキの前休眠期卵を無酸素(窒素)処理すると休眠を回避する卵の割合が有意に高まった。これに対し、休眠卵を無酸素処理すると休眠深度は浅くなるが休眠は覚めなかった。次に50日の7.5℃処理を、休眠消去に不十分な期間である20日目に5日間の加温処理で中断した。中断を空気中で行うと休眠が再び深くなったが、窒素中で中断処理を行うと温度が高い程休眠が浅くなった。また、7.5℃に50日間おいた卵を25℃に加温と同時に一定期間無酸素にさらすと休眠消去が促進された。無酸素によって休眠が浅くなる反応の一般性を数種の直翅目昆虫を用いて調べたところ、無酸素処理は今回試験した全ての種に休眠を浅くする効果を示した。以上の結果より、無酸素は様々な休眠発育段階で、休眠を浅くする効果を有することが示唆される。
収録刊行物
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- 日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集
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日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 2003 (0), 5-5, 2003
社団法人 日本蚕糸学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680603344256
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- NII論文ID
- 130006986745
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可