2眠蚕誘導による極細繭糸の作出

書誌事項

タイトル別名
  • Produce of superthin cocoon filaments by induction of bimolting silkworms.
  • (1) Decision of the inductive conditions of bimolter and the maternal effects exerted on the inductive rate in the F1 hybrids between dominant trimolter races and tetramolter races.
  • (1)優性3眠蚕×細繊度4眠蚕」交雑種における誘導条件の策定と誘導率に及ぼす母体効果

説明

究極の細繊度繭糸を作り出す目的で「優性3眠蚕×細繊度4眠蚕」から2眠蚕の誘導を行った。まず、2種の優性3眠蚕(Tri-Sun、Tri-W)を育成し、細繊度4眠蚕(MK、C515)と交配したところ、4種の交雑種の3眠蚕発現率は通常飼育では平均77.2%(51∼99)であった。この3眠蚕をイミダゾール化合物トリフルミゾールを添加した人工飼料で飼育することによって2眠蚕を誘導した。通常の3眠化に適するとされている120∼140ppm濃度では誘導率が低かったので、280ppm及び420ppmに濃度を高めて3齢起蚕から3日間飼育した結果、2眠蚕率は280ppmでは平均66.9%(26∼99)、420ppmでは平均77.3%(45∼99)となり、高濃度になると高く、また3眠蚕の発現率が高い交雑種ほど2眠蚕率も高くなることが分かった。さらに正逆交雑によって誘導効果が異なり、優性3眠蚕を雌にした交配形式の方が明らかに2眠蚕率が高くなるという興味ある結果が得られた。2眠蚕の繭糸質は無投与3眠蚕の10∼30%の値であり、とくに繊度が約0.5デニールと細く、ガラス繊維等とは特性も異なるので工業分野での用途が期待される。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680603608192
  • NII論文ID
    130006986984
  • DOI
    10.11416/jsss.jsss72.0.132.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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