形態の異なる二層の花被を持つアルストロメリアにおけるクラスB遺伝子の発現解析

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タイトル別名
  • Isolation and Characterization of Class B genes in Alstroemeria

抄録

単子葉植物にはユリのように二層の花弁状器官を持つ花が多く見られる。このような花被は、クラスB遺伝子がwhorl2、3だけでなくwhorl1でも発現することで形成されるという改変ABCモデルが提唱されている。このモデルはチューリップとアガパンサスのクラスB遺伝子の発現解析によって支持されているが、アスパラガスでは花弁状器官を形成するwhorl1においてクラスB遺伝子の発現が検出されず、このモデルの一般性に関して疑問を残す結果となっている。<br> アルストロメリアは単子葉ユリ目に属し、花被は二層の花弁状器官で構成されるが、外花被片と内花被片の外形が異なる。本研究では単子葉植物における改変ABCモデルの検証と、花被形態の多様化のメカニズムを調査するため、アルストロメリアの花被片の形態調査およびクラスB遺伝子の単離、発現解析を行った。形態調査の結果、外花被片と内花被片の外形は異なるが、維管束走行や表皮細胞の形態はよく似ていた。また、RACE法により2種のDEF-like遺伝子(AlsDEFaAlsDEFb)と1種のGLO-like遺伝子(AlsGLO)を単離した。発現解析の結果、AlsDEFbAlsGLOがwhorl1、2、3で発現しており、改変ABCモデルを支持していた。一方、AlsDEFaはwhorl2、3のみで発現しており、外花被片と内花被片の分化と何らかの関係を持つ可能性が示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680603825920
  • NII論文ID
    130006987270
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.619.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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