ラン藻カルビン回路調節に関わるCP12の分子特性と生理機能

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular property and physiological function of CP12 involved in regulation of the Calvin cycle in cyanobacteria

説明

[目的]これまでラン藻カルビン回路調節因子の一つとしてCP12に注目し、その分子特性を明らかにしてきた。その結果、高等植物など他の生物由来のCP12にはPRKおよびGAPDHとの結合に関与するループ構造形成に必要なシステイン残基が4つ存在するが、Synechococcus PCC7942 CP12にはN末端側の2つが欠失していた。本研究では、この様な特異な構造のS. 7942 CP12の分子特性および細胞内での生理機能の解明を目的とした。<br>[方法・結果]S. 7942 CP12遺伝子をもとに、C末端ループ形成に必要な2つのCys(61, 70)をSerに変えたCP12変異体を作製し、野生型CP12とともにGAPDH, PRKに対する相互作用を検討した。野生型CP12は0.1 mM NAD+存在下でPRK, GAPDHと結合したが、CP12変異体は同条件下でPRKとのみ結合した。このことからScCP12は他生物由来CP12とは異なる様式でPRKと結合していると考えられる。また、ScCP12遺伝子を破壊したS. 7942変異株は、連続光照射下では野生株と同等の成育速度を示したのに対し、12h/12hの明暗条件下では明らかに成育遅延が認められた。さらに、変異株では暗条件下にRuBPの蓄積が見られたことから、CP12が暗条件下での炭素代謝制御に機能していることが示唆された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680604573440
  • NII論文ID
    130006988173
  • DOI
    10.14841/jspp.2004.0.652.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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