日本植物生理学会論文賞<br><I>TFL2</I>による花成およびヘテロクロマチン制御の研究

DOI
  • 小竹 敬久
    岡山県生物科学総合研究所 現・埼玉大・理
  • 高田 忍
    岡山県生物科学総合研究所 現・チュービンゲン大学
  • 中東 憲治
    岡山県生物科学総合研究所 CREST, 科技機構
  • 大藤 雅章
    カリフォルニア大学・デイビス校
  • 後藤 弘爾
    岡山県生物科学総合研究所 CREST, 科技機構

書誌事項

タイトル別名
  • PCP Award<br>Arabidopsis <I>TERMINAL FLOWER2</I>, a Heterochromatin Protein 1 homolog, regulates flowering time.

抄録

我々は日長感受性が無くなり早咲きになる等、多面的な表現型を示すtfl2突然変異体の解析を行い、TFL2遺伝子が花成の経路においてFTを特異的に抑制していることを明らかにした。また遺伝子クローニングにより、TFL2はアラビドプシスゲノム上で唯一のHeterochromatin Protein1 (HP1)ホモログであることを示した。また、TFL2FT以外にもいくつかの花のホメオティック遺伝子を抑制していることを明らかにした。<br> その後、TFL2がHP1とホモロジーを持つことに基づいて、アラビドプシスにおけるヘテロクロマチン制御への関与を調べた。しかしながら、染色体上の位置による遺伝子発現のプロファイルの変化や、ヘテロクロマチン領域にあるトランスポゾンの活性化はtfl2で観察されなかった。またTFL2タンパク質の局在をみたがヘテロクロマチン領域とは共局在していなかった。以上の様に、TFL2がアラビドプシスのヘテロクロマチン制御に関与していることを示す積極的な証拠は得られなかった。<br> 次にTFL2によるFTの発現抑制機構について解析を行った。その結果、FTは長日刺激によって葉の先端部の維管束でのみ発現するが、tfl2では日長によらず葉全域の維管束で発現することが明らかとなった。また、TFL2によるFTの発現抑制はCOなどの活性化因子により競合的に解除されることも分かった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680604627840
  • NII論文ID
    130006988239
  • DOI
    10.14841/jspp.2005.0.a4.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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