フィコビリソームの骨格構造をなすリンカーポリペプチドとシアノバクテリアHsp90(HtpG)との相互作用

書誌事項

タイトル別名
  • Interaction of a phycobilisome linker polypeptide and a cyanobacterial Hsp90, HtpG

説明

分子シャペロンHsp90ファミリーの一員である大腸菌HtpGの結晶構造が最近決定されたが、その標的タンパク質は同定されておらず機能解析は進んでいない。我々はシアノバクテリアSynechococcus sp. PCC 7942株のhtpG遺伝子破壊株を構築し、HtpGが高温下における熱耐性の獲得に必須であることを初めて明らかにした。さらに、この変異株の、通常培養条件下におけるフィコシアニン量が減少していたことから、HtpGの標的タンパク質(複合体)が集光性色素タンパク質会合体フィコビリソームではないかと考えた。野生株と破壊株からフィコビリソームをショ糖密度勾配超遠心分離法により精製すると破壊株のものが軽い画分に存在し、SDS-PAGEで解析するとフィコシアニンの吸収特性を調節し安定化に寄与すると考えられているリンカーポリペプチドの1つである30 kDaリンカーポリペプチドが破壊株で減少していた。そこで30 kDaリンカーポリペプチドを大腸菌で大量発現し精製した。このリンカーポリペプチドのHis-tag融合タンパク質は45℃の熱処理で変性し、360 nmの光散乱強度が増加したが、HtpG(2量体)をモル比1:1で加えるとその光散乱がほぼ完全に抑制された。現在、リンカーポリペプチドとHtpGの複合体の単離と結晶化を試みている。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680606491392
  • NII論文ID
    130006990265
  • DOI
    10.14841/jspp.2006.0.249.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ