被食害リママメから放出される揮発性化合物が誘導する健全リママメのハダニ抵抗性誘導
-
- 杉本 貢一
- 山口大・医 京都大・生態センター
-
- 松井 健二
- 山口大・医
-
- 小澤 理香
- 京都大・生態センター
-
- 藏滿 保宏
- 山口大・医
-
- 田中 寿幸
- 山口大・医
-
- 中村 和行
- 山口大・医
-
- Muck Alexander
- Max Plank Institute for Chemical Ecology
-
- Kley Jeannette
- Max Plank Institute for Chemical Ecology
-
- David Anja
- Max Plank Institute for Chemical Ecology
-
- Boland Wilhelm
- Max Plank Institute for Chemical Ecology
-
- 高林 純示
- 京都大・生態センター
書誌事項
- タイトル別名
-
- Induced Resistance Against Herbivorous Spider Mite Through Exposure of Herbivore Induced Plant Volatiles in Lima Bean
説明
植物は様々な環境ストレスに応答して量的・質的に異なる揮発性化合物を放散する。このような誘導性揮発性物質(Induced Plant Vlatiles:IPV)放散する生理学的・生態学的意味の解明は、植物の生存戦略における新たな視点を提供すると考えられる。これまで、病・傷・食害をうけた植物の周囲に生育している健全植物が抵抗性を誘導する例が報告されており、IPV介した植物間相互作用であると考えられている。本研究ではハダニ食害を受けたリママメが多量のIPVを放出し、そのIPVに暴露された健全リママメが様々な防衛関連応答を示す現象に注目する。IPVの生理的役割を明らかにするため、揮発性化合物曝露装置を作製した。このシステムを用いてIPVを健全リママメに曝露した結果、曝露植物は防御関連遺伝子の一つであるキチナーゼ遺伝子を誘導した。続いて雌ダニの産卵数を指標としてハダニ食害抵抗性を評価したところ、曝露植物では対照植物と比較して有意な産卵数の低下が観察された。続いて植物のIPV応答を調べるため、タンパク質プロファイルを健全植物と比較したところ、PsbOやATPaseのような光合成関連タンパク質が減少する傾向にあった。これらの結果から、健全リママメは、IPV認識することでハダニ食害応答を模倣し、ハダニ抵抗性を誘導することが示された。今後はIPVによる抵抗誘導性のメカニズムを明らかにする。
収録刊行物
-
- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
-
日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2009 (0), 0086-0086, 2009
日本植物生理学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282680606774528
-
- NII論文ID
- 130006990592
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可