シロイヌナズナ単離液胞および培養細胞代謝物の包括的アノテーション

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タイトル別名
  • A Comprehensive Annotation of Metabolites in the Isolated Vacuoles and Suspension Cultured Cells of Arabisopsis.

抄録

液胞は植物細胞体積の大きな部分を占め、植物の成長や浸透圧調節等に重要な関与があると考えられている。植物の代謝においても、有機酸・二次代謝物などが液胞に蓄積することが知られており、植物代謝産物の貯蔵にとっても重要なオルガネラである。しかしながら、液胞に蓄積する代謝物の多様性や細胞質液胞間の代謝物輸送制御機構は明らかにされてはいない。そこで本研究では、液胞膜輸送機能変換による細胞代謝機能制御研究の基本情報として、均一な形質を持つと考えられるシロイヌナズナ培養細胞系単離液胞ならびに全細胞代謝産物組成の解析を行った。<br> 高速液体クロマトグラフィー-フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析装置(LC-FTICR-MS)を用いてシロイヌナズナ培養細胞DEEP株の単離液胞と全細胞抽出物のESI positive、negative分析を行なった。質量分析データから代謝物の包括的アノテーションを実施し、液胞と細胞での比較解析を試みた。<br> 単離液胞、全細胞抽出物から、それぞれ495成分、607成分(共通95成分)を検出した。代謝物の分子量分布は両サンプルで似たパターンを示した。Negativeモードで検出された成分数は全細胞で単離液胞よりも多かった。この基本情報をもとに、より詳細な推定構造アノテーションに関しても議論する予定である。本研究は科学技術振興機構・CRESTの支援をうけて実施された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680607554688
  • NII論文ID
    130006991758
  • DOI
    10.14841/jspp.2008.0.0995.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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