イネ全塩基配列のアノテーションと分子進化解析
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- 伊藤 剛
- 農業生物資源研・ゲノム研究グループ
書誌事項
- タイトル別名
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- Annotation and Molecular Evolutionary Analysis of the Rice Genome
説明
イネゲノム全塩基配列決定の完了にともない、更なる実験やデータ解析の基礎情報を作成するため、全ゲノム配列を用いたアノテーションを行った。配列決定後のゲノム解析を良質のものとするには、このアノテーションは高精度でなければならないが、一方で遺伝子予測プログラムに基づくような自動アノテーションには多くの誤りが含まれることが知られている。そこでまず完全長cDNAやESTを最大限利用し、転写の証拠のある領域を中心に遺伝子を同定した。また、自動アノテーションの専門家による精査(いわゆるキュレーション)を全遺伝子に渡って短期間で大規模に行うため、ジャンボリー型のアノテーション会議(The Rice Annotation Project Meeting)を開催し、同定された遺伝子座の全てに亘って可能な限り機能情報を確定した。この結果はRAP-DBとして公開されている。このアノテーション結果に基づき、イネとシロイヌナズナの全タンパク質を用いて配列比較を行ったところ、種分岐後にそれぞれの種で特異的な遺伝子重複は多数あるものの、現在保有している機能ドメインの数や種類、さらにはタンパク質をコードしている遺伝子数は大きく違わないことが明らかになった。加えて、野生稲のBAC端配列を日本晴のゲノムと比較することにより、栽培稲では失われた遺伝子が野生稲には相当数あることも示唆されているので、このような多様性解析についても併せて報告する。
収録刊行物
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- 日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集
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日本植物生理学会年会およびシンポジウム 講演要旨集 2006 (0), S053-S053, 2006
日本植物生理学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680607827584
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- NII論文ID
- 130006992147
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可