シロイヌナズナSTOP1転写因子は酸耐性とアルミニウム耐性に関わる複数の遺伝子を制御する

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タイトル別名
  • AtSTOP1 regulates multiple genes critical for aluminum and proton resistance in Arabidopsis roots

抄録

シロイヌナズナのジンクフィンガー転写因子STOP1は、根の酸感受性変異体の原因遺伝子として特定された。この変異体は、アルミニウムにも感受性を示すが、これはAtALMT1の発現とリンゴ酸放出能力を喪失していることで説明できた。この研究では、マイクロアレイ解析とメタボローム解析により、STOP1が関わる遺伝子発現・代謝システムの変化を調べるとともに、未解明な点が多い酸感受性のモデルを構築した。アルミニウム処理下ではSTOP1変異体では、アルミニウム耐性遺伝子として報告されているAtALMT1に加えて、AtMATE及びALS3の転写レベルが下がることがわかった。これは、AtALMT1遺伝子を組換えたSTOP1変異体のAl耐性が部分的に相補できる事実と一致していた。一方、低pH条件下では、1)カリウムトランスポーターAKT1の活性化に関わるCIPK23や硫酸トランスポーター遺伝子などの、イオン恒常性に関わる遺伝子、2)細胞壁のPGA領域に結合しペクチンを安定化させる役割を持つPGIP1及び、3)共にpH調節機能を持つ代謝経路である、リンゴ酸酵素から始まるBiochemical pH Stat経路とGABA-shuntが、STOP1変異体で抑制されていることがわかった。尚、酸性土壌を用いた土耕試験から、酸感受性は酸性土壌での生育不良の原因となる形質であることが示された。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680608070784
  • NII論文ID
    130006992532
  • DOI
    10.14841/jspp.2010.0.0067.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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