コケおよびシダ植物におけるABA不活性化P450の探索

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of P450s Involved in ABA Catabolism from <I>Selaginella moellendorffii</I>.

説明

高等植物の植物ホルモン生合成および不活性化には多くのP450が関わっていることが知られている。コケおよびシダ植物でもそれらのオルソログと考えられるP450がゲノムやEST配列中に見いだされているが、その機能に関する知見は皆無である。我々は、進化段階を越えて保存されているP450について機能解析を行うことによって、コケやシダ植物の植物ホルモン代謝系に関する知見が得られるのではないかと考えた。本研究では、植物界におけるアブシジン酸(ABA)不活性化酵素の進化について解析することを目的として、コケおよびシダ植物のゲノム配列中に見いだされるP450のうち、ABA 8’位水酸化酵素CYP707Aのオルソログであると予想されるCYP707ファミリーの機能解析を行った。ヒメツリガネゴケのゲノムにはCYP707ファミリーは存在しないのに対し、シダ植物であるイヌカタヒバのゲノム解析からCYP707A20, 707A43, 707B1, 707B2, 707C1の遺伝子配列を見出した。そこで、イヌカタヒバmRNAを用いてRT-PCRによりこれら5つのcDNAをクローニングした。In vitroでの活性試験を行うため昆虫細胞を用いた系でシダCYP707を発現させた結果、シダCYP707AはABA 8’位水酸化活性を示したが、シダCYP707B/CはABAを代謝しなかった。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680608150784
  • NII論文ID
    130006992642
  • DOI
    10.14841/jspp.2010.0.0819.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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