イネ培養細胞の防御応答におけるジャスモン酸の関与

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タイトル別名
  • Involvement Of Jasmonic Acid In Chitin Elicitor-induced Defense Responses In Suspension-cultured Rice Cells

抄録

イネ培養細胞においては、キチンエリシター(以下エリシターと略記)処理により、ファイトアレキシンの生産や抗菌性タンパク質の発現誘導等、様々な防御応答が誘導される。このようなエリシター誘導性の防御応答のある種のものについては、ジャスモン酸が二次シグナルとして関与していることが示唆されている。しかしながら、イネの防御応答におけるジャスモン酸の生理機能については、その多くが未解明である。そこで、本研究では、ジャスモン酸欠損変異株と考えられる、イネ光形態形成変異体cpm2由来の培養細胞を用い、エリシター誘導性の防御応答について正常型イネと比較することで、ジャスモン酸とエリシター誘導性の防御応答の関係についてさらに詳細な知見を得ることを試みた。cpm2と正常型イネにおけるエリシター応答性遺伝子をマイクロアレイ解析により比較検討した。その結果、正常型イネにおけるエリシター応答性遺伝子3384のうち720がcpm2において発現抑制が認められた。それら発現抑制が認められた遺伝子の中には、ファイトアレキシン生合成酵素、ジャスモン酸応答性情報伝達に関わる転写制御因子、ジャスモン酸生合成酵素、リン脂質代謝酵素等をコードするものが含まれていた。またcpm2においては、エリシター処理によるファイトアレキシン生産も抑制されることが示された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680608200320
  • NII論文ID
    130006992718
  • DOI
    10.14841/jspp.2007.0.505.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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