クロレラの窒素化合物利用に対する複数の青色光受容体の関与

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タイトル別名
  • The Roles of Two Blue Light-Receptors on the Utilization of Nitrogen Compounds in Chlorella

抄録

クロレラの生育は窒素源(硝酸)が十分存在するgrowing phaseの細胞と、窒素源が枯渇したresting phase の細胞からなる。以前 growing phaseでは硝酸(アミノ酸・アンモニア)輸送が、グルコース添加(青色光照射)により抑制をうけることを見出した。また resting phase の細胞では硝酸(アミノ酸・アンモニア)輸送系は、グルコース添加(青色光照射)により顕著に誘導されることが認められた。<br> Growing phaseの細胞の硝酸取り込みの抑制は、青色光による硝酸還元酵素活性化の結果から、生成したアンモニアによる抑制と考えられた。一方resting phaseの細胞では、アミノ酸(グリシン)酸化酵素が青色光により活性化され、生成したアンモニアによるデンプン分解が誘導され、増加したグルコースが硝酸(アミノ酸・アンモニア)輸送系の誘導を引き起こすと推測された。<br> 以上の現象は、growing phaseとresting phaseにおける青色光受容体の違いによるものと考えられる。クロレラは窒素源をアンモニアで培養すると、硝酸還元酵素が欠損する。アンモニア培養細胞でも青色光による呼吸の誘導(デンプン分解)が認められたことから、クロレラの窒素代謝は複数の青色光受容体(硝酸還元酵素、アミノ酸酸化酵素)により制御されると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680608580352
  • NII論文ID
    130006993273
  • DOI
    10.14841/jspp.2010.0.0906.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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