新規ゼニゴケ核ゲノム形質転換選抜用マーカーの開発

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a novel selectable marker for liverwort (<i>Marchantia polymorpha</i>)

抄録

ゼニゴケは新たなモデル植物として注目されその分子生物学的手法の基盤整備が進められているが、これまでに核ゲノム形質転換選抜用マーカーとして利用可能な遺伝子は、hptaadAの2遺伝子が報告されているのみである。そこで我々は、これまでに多種の被子植物において核ゲノム形質転換選抜用マーカーとして利用実績のある変異型アセト乳酸合成酵素 (Mutated Acetolactate synthase: mALS) が、ゼニゴケにおいても核ゲノム形質転換選抜用マーカーとして有効であることを明らかにしたので報告する。まずゼニゴケのEST情報からゼニゴケアセト乳酸合成酵素 (MpALS) をコードするcDNAを入手し、スルホニルウレア系除草剤Chlorsulfuronへの耐性を付与するアミノ酸置換を導入したMpmALS (P207S/R198S/W574L) を作出した。MpmALSを35Sプロモーターで発現誘導するベクターを作製し、このベクターを用いてアグロバクテリウム法による形質転換を行った。形質転換体をChlorsulfuronで選抜して得られたChlorsulfuron耐性植物よりベクター配列の導入が確認できたことから、MpmALSがゼニゴケの新規核ゲノム形質転換選抜用マーカーとして利用可能であることが明らかとなった。本研究の成果はゼニゴケにおける機能解析の推進に寄与するものと考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680608973056
  • NII論文ID
    130006993862
  • DOI
    10.14841/jspp.2010.0.0973.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ