チップとMALDI TOF-MSを用いたタンパク質の微量・ハイスループット2次元マッピング
書誌事項
- タイトル別名
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- High-throughput two dimensional mapping of pI and m/z with small sample volume using a microchip in a MALDI-TOF mass spectrometer
説明
はじめに:プロテオーム解析では、2次元電気泳動法が広く用いられているが、実験結果(等電点[pI]-分子量軸の2次元マッピング)を得るのに20ulの多量サンプルと日単位の時間を要するため、新しい微量・ハイスループット解析手法が求められている。今回、等電点分離(IEF)チップとMALDI TOF-MSとを組み合わせると共に、凍結乾燥により試料乾固を行うことで、タンパク質の微量・ハイスループット2次元マッピングを実現できたので報告する。本手法は 2次元電気泳動法と互換性があり、またチップを使い捨てるため、非汚染でメンテナンスも容易である。 実験と結果: IEFチップは、等電点分離後に MALDIターゲットプレート上に設置される.したがって、チップサイズはターゲットプレートサイズによって制限を受ける.高い等電点分離能を得るためには、チップの流路を折り曲げることで十分な分離長を確保する必要がある。そこで今回、ジグザグ型の流路を有するガラスチップを用いて、微量のタンパク質混合溶液(1ul)の等電点分離を行った。しかし、従来報告1)と同様の加熱乾燥法により試料乾固を行うと、流路内で試料溶液が再分布し、分離状態が破壊されることが分かった。今回、等電点分離後直ちに試料溶液を凍結させると共に、液相を経由しない凍結乾燥法を用いることで、分離状態を保持したまま試料を乾固させることに成功した。本チップを質量分析計に装着し、流路に沿ったレーザー走査を行うことで、各等電点に対応する質量スペクトルを得た。このスペクトルから2次元マップを構成した。全解析に要した時間は約1時間であり、2次元電気泳動に比べ約1桁の高速化が実現された。本研究の一部は、NEDOの補助により実施したものである。 1) Michelle L. -S. Mok et. al. Analyst、 129、 109-110 (2004).
収録刊行物
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- 日本プロテオーム学会大会要旨集
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日本プロテオーム学会大会要旨集 2005 (0), 100-100, 2005
日本プロテオーム学会(日本ヒトプロテオーム機構)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680610038400
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- NII論文ID
- 130006995354
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可