酵母における出芽部位の選択に関連しているBud32pと結合するタンパク質複合体の解析

DOI
  • 加藤 悠
    横浜市立大学大学院国際総合科学研究科生体超分子科学専攻
  • 川崎 博史
    横浜市立大学大学院国際総合科学研究科生体超分子科学専攻
  • 平野 久
    横浜市立大学大学院国際総合科学研究科生体超分子科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Purification and characterization of a protein complex associated with Bud32p,which involves in bud site selection.

抄録

酵母二倍体における出芽部位選択は極性を持つ細胞分裂では非常に重要であり、いくつもの遺伝子はこの現象に関与している。出芽部位の選択に関連しているBUD32は進化的に保存されたプロテインキナーゼをコードしていて、PRPK(p53関連プロテインキナーゼ)と類似性があり、BUD32の破壊株では極性を持たないランダムに分裂する分裂形態を示す。Bud32pはプロテアソームの19S調節因子を含むいくつものタンパク質と相互作用すると報告されている。また、細胞分裂及び細胞増殖において重要な役割を果たしていると思われる。しかし、Bud32pと相互作用するタンパク質複合体の性状やBud32pの基質についてはほとんど明らかになっていない。そこで私たちは、TAP(Tandem Affinity Purification)法と用いてBud32pを精製し、それと結合するタンパク質同定した。[方法]染色体上のBUD32のC末端にTAPタグが付加された酵母及びC末端にTAPタグが付加されているBUD32をもつプラスミドを持つ酵母を用いて、Bud32p複合体の精製を行った。これらの菌株をBeads-beaterで破砕して得た抽出液を用いて、IgGカラム及びcalmodulinカラムによる2段階の精製でBud32p複合体を単離した。単離したタンパク質複合体はSDS-PAGEにより分析し、それぞれのバンドをゲル内消化後nanoLC-ESI-Qtofで分析し、構成タンパク質をMS/MS ion searchによって同定した。[結果]TAP 法によってBud32pと結合するタンパク質を精製できた。TAP法で精製された4種のタンパク質は、量的な比がいつも一定であるので、この複合体はBud32pを含む4つのタンパク質から構成されていると考えられた。この内、2つのタンパク質はBud32pと相互作用することが既に報告されており、1つのタンパク質は新規なタンパク質であった。この複合体がどのような機能を持っているかを解析している。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680610054272
  • NII論文ID
    130006995378
  • DOI
    10.14889/jhupo.2005.0.109.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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