屋久島山頂部域でのニホンザルの分布上限

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タイトル別名
  • The upper boundary of the distribution of Japanese macaques in the summit area of Yakushima

抄録

<p>ある生物はどこまで分布するか。分布境界に生息する生物を理解することは対象とする生物の適応の幅を理解し、分布がどのように変動するか将来の予測につながるだろう。屋久島は最高峰の宮之浦岳(標高1,936m)を中心とする山岳島であり、特に頂上部付近は1,700mを境に針葉樹林帯から草原地帯へと植生が変化する。草原はササの一種で屋久島固有種であるヤクシマダケ(Pseudosasa owatarii)がほとんどを占める。屋久島全土に生息するニホンザル(Macaca fuscata)とも草原地帯に生息し、夏から冬にかけて草原から森林への季節移住が起こる。本研究はサルの分布上限の変動とそれに関わる食性調査を目的としている。大川林道終点(標高1,050m)から宮之浦岳山頂間の登山道上でのルートセンサスを2015年8月から12月の間おこなった。ルートセンサス時はサルの目視、糞、音声を発見や感知した際にGPSで位置情報を記録した。また、採食中のサルを目視した場合に採食物を記録した。草原地帯で8、9月はサルの糞は数多く発見された。しかし10月にはほとんど発見されず、11、12月には発見されなくなった。また、直接観察と食痕によって、草原地帯を利用しているサルはヤクシマダケの新芽の髄とタケノコを採食しており、成熟葉の採食は観察されていない。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680610376320
  • NII論文ID
    130005418838
  • DOI
    10.14907/primate.32.0_57_3
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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