DNA断片連続連結法: 汎用的な遺伝子共発現系の開発

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タイトル別名
  • A Sequential DNA Fragment Ligation Method into a Plasmid Vector

抄録

DNA断片の連結によるプラスミドの構築は分子生物学実験の根幹をなす技術のひとつである。我々はこれまでに多数のDNA断片を連結してプラスミドを構築する手法としてDNA断片固相連結法を提案した。これは一端を固相に連結したDNA断片に対して液相のDNA断片を入れ替えつつライゲーションと洗浄を繰り返す手法である。今回我々はDNA断片固相連結法とMultiRound Gateway systemとの融合により、多数のDNA断片をさらに効率よく連結する手法を提案する。<br>DNA断片固相連結法ではライゲーション反応の回数と最終産物の収率は反比例するため、20断片を超えるDNAの連結は困難であった。本手法ではDNA断片固相連結法により作製した連結DNAをLR反応によりさらに連結する。複数のプラスミドがDNA断片の連結を分担することで、プラスミドあたりのライゲーション反応回数は大幅に抑えられる。また、プロモーター, 遺伝子, ターミネーターの連結手順の見直しにより、ひとつの遺伝子の発現に必要なDNA断片数は従来のDNA断片固相連結法の2/3に抑えられた。これらの特徴により、本手法によれば多数の遺伝子をクローニングしたバイナリーベクターの構築が可能である。<br>現在我々は本手法を用いて、共発現すると予測されたシロイヌナズナの9つの転写因子を任意の組織と時期において同時に発現する系の構築を試みている。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680610457856
  • NII論文ID
    130006995898
  • DOI
    10.14841/jspp.2011.0.0584.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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