比較解剖に基づく上肢-体幹移行領域における脊髄神経前枝の形態学的特徴

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タイトル別名
  • Nn.intercostobrachiales and N.cutaneus brachii anterior

説明

肋間上腕神経(Nn.intercostobrachiales,Icb)は体幹より起こり上肢帯に分布する神経であり,体幹と上肢の移行領域を考える上で重要な神経である. Icbと関係の深い皮神経として,内側上腕皮神経(N. cutaneus brachii medialis, Cbm)がある. しかし, 上腕に分布する皮神経については,不明確な部分が残されている. 今回,ヒト,マカク(カニクイザル),ブタにおけるIcb,Cbm,内側前腕皮神経の上腕皮枝(N.cutaneus brachii anterior, Cba)の比較検討をし, 上肢-体幹の移行領域の形態学的特徴を明らかにすることを目的とした.<br>　観察は,日本歯科大学解剖学実習体,カニクイザル液浸標本(京都大学霊長類研究所),ブタ胎仔標本(米国Bio Corporation社製)にて行った. これらについて,腕神経叢,肋間神経の外側皮枝(Ramus cutaneus lateralis,Rcl),Icb,Cbmおよび,Cbaの起始,経路, 分布の観察を行った.<br>　ヒトにおいては内側神経束の背側層より分岐して上腕に分布する典型的なCbmは恒常的に認められたが, カニクイザルとブタにおいてはヒトにみられる典型的なCbmが観察されず,上腕後面の神経支配はIcbによって補われておりIcbとCbmの代償関係が示唆された.<br>　さらに, 3種間で,IcbとなるRclの起始分節に差異がみられた. ヒトでは,Icbに関与するRclの分節は,Th2,Th3であった. ブタは,Th3,Th4, カニクイザルは,Th2, Th3であった. これらの差異は, 移動様式に伴う体幹と肩甲骨の位置関係に違いとの関連があるのではないかと考えている.<br>　本研究の一部は京都大学霊長類研究所共同利用研究によって実施された.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680610686592
  • NII論文ID
    130005471422
  • DOI
    10.14907/primate.28.0_78
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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