Seasonal Variations of fecal testosterone levels in free-ranging male Japanese macaques

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  • オスニホンザルの糞中テストステロンの季節変動

Description

ニホンザルは季節繁殖をする種である。性行動の季節変化は詳細に報告されている(e.g. Takahata 1980, 1982) が、オスのホルモン動態については、つい最近嵐山で調べられた研究をのぞけばこれまでほとんど報告がない(Barrett et al. 2002)。そこで、オスの糞中テストステロンが一年を通じてどのように変化するかを飼育下の集団を対象として調べた。調査対象は、愛知県犬山市大平山で飼育されているヤクニホンザル (Macaca fuscata yakui) 集団である。高順位オトナオス(7歳以上)3頭、高順位ワカオス(5-6歳)2頭、低順位オトナオス3頭、低順位ワカオス2頭の計10頭を対象個体とした。調査期間は1996年2月から1997年1月までの1年である。この集団では、9月下旬から12月ごろまで交尾が観察される。毎月月初めの数日間に、対象個体の糞を1-2個採集し、-30℃で冷凍保存したのち分析した。糞採集を行なっている間、オスの攻撃的行動と性行動をアドリブサンプリングで記録した。テストステロンは一年を通じて大きく変動した。高順位のオスの平均テストステロンレベルは、低順位のオスより低かった。高順位オスのテストステロンレベルのピークは10月だったのに対し、低順位オスのテストステロンレベルは11月だった。年齢クラスによる違いは見られなかった。これらの結果から、交尾季前半にテストステロンレベルの上昇が見られること、ピークの出現時期はオスの順位の影響を受けている可能性があることが明らかとなった。

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282680610743552
  • NII Article ID
    130006996211
  • DOI
    10.14907/primate.20.0.14.0
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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