リン酸化プロテオーム解析による関節リウマチ病因関連分子の探索

DOI
  • 松尾 光祐
    聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 横浜市立大学大学院医学研究科運動器病態学
  • 中村 洋
    聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター 日本医科大学 リウマチ科
  • 増子 佳世
    聖マリアンナ医科大学 大学院 医学研究科 生体分子病態学
  • 遊道 和雄
    聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター
  • 野寄 浩司
    横浜市立大学大学院医学研究科運動器病態学
  • 西岡 久寿樹
    聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター
  • 斎藤 知行
    横浜市立大学大学院医学研究科運動器病態学
  • 加藤 智啓
    聖マリアンナ医科大学 大学院 医学研究科 生体分子病態学 聖マリアンナ医科大学 難病治療研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Phosphoproteomic investigation of pathological molecules in rheumatoid arthritis

抄録

【目的】代表的な炎症性多関節炎である関節リウマチ(RA)の病因病態に関与する分子を探索する目的で、RAの病変主座である滑膜組織の滑膜細胞で、非炎症性関節炎とされる変形性関節症(OA)と対比して、強くリン酸化されている蛋白質を網羅的に検出し、その病態的意義を検討した。 【方法】RAおよびOA患者由来の培養滑膜細胞から総蛋白を抽出し、それぞれを2次元電気泳動で分離した。その後、リン酸化蛋白質のみを染色し、RA滑膜で強くリン酸化されている蛋白質スポットを検出した。その一部を質量分析により同定した。また、同定した蛋白質のひとつについて、マウスに遺伝子導入し、関節炎誘起性について検討した。 【結果】RA、OA両疾患の滑膜細胞でリン酸化の程度に差のある蛋白質が複数個検出された。そのうちの10個弱を同定した。RAにて強くリン酸化されている蛋白質の一つとしてアネキシン7を同定した。アネキシン7は発現量もRA滑膜表層細胞にて多く、浸潤した炎症細胞にも認められた。また、本来、コラーゲン誘起性関節炎(CIA)に抵抗性であるB6マウスにアネキシン7遺伝子を導入したトランスジェニックマウスはCIA感受性となることが判明した。 【考察】RAとOAの滑膜細胞はリン酸化プロテオームに差異があることが示された。また、RAで強くリン酸化されているアネキシン7は、CIA抵抗性マウスを感受性に変えることから、関節炎発症に深くかかわると共に、治療の標的をなりうることが示唆された。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680611899776
  • NII論文ID
    130006997657
  • DOI
    10.14889/jhupo.2007.0.45.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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