発生・分化とDNAの複製・修復における構造ゲノミクス

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タイトル別名
  • Structural genomics on development and differentiation of organisms and replication and repair of DNA

抄録

タンパク3000プロジェクト個別的解析プログラム「発生・分化とDNAの複製・修復」班では、ヒト・マウス・ショウジョウバエ等の真核生物由来および大腸菌・好熱細菌・超好熱古細菌等の原核生物由来の発生・分化やDNAの複製・修復に関するタンパク質の立体構造解析と機能解析を進めている。この3年間に、150個のタンパク質構造を決定し、そのうち82個をPDBに登録した。また、53件の特許出願をおこなった(国内35件、国際18件)。<BR> 上記個別的解析プログラムの中核機関として、私たちの研究室では、体細胞の分裂回数を制御しているヒトのテロメアタンパク質、初期発生に必須である魚類の孵化酵素、甲殻類の成長を制御する脱皮抑制ホルモン、昆虫の脱皮行動や概日周期を制御する心臓作動性ペプチド等の発生・分化関連タンパク質、さらに、転写制御因子、その他のDNA結合タンパク質、プリン塩基の生合成に関わるグアノシン一燐酸合成酵素等のDNA複製・修復関連タンパク質の構造解析を行ってきた。また同時に、タンパク質の機能解析として、細胞の分化に関連するWWドメイン含有タンパク質やCa2+結合タンパク質の核磁気共鳴(NMR)および表面プラズモン共鳴(SPR)によるタンパク質分子間相互作用解析を、基盤技術開発として、不溶化組換えタンパク質の試験管内巻戻し、膜タンパク質の発現、擬似微小重力下での結晶化の検討を進めてきた。<BR> 今年度からは新たに、タンパク質の構造解析・機能解析から「創薬への展開」を念頭に置き、ヒトの疾患(肥満・糖尿病・動脈硬化・心筋症等)関連タンパク質やヒトに感染して疾患を引き起こす病原体のタンパク質に焦点を絞った解析を開始した。本発表では、私たちの研究室の最近の研究成果である「心筋症の治療薬開発につながるタンパク質の構造・機能解析」を中心に紹介する。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680612798720
  • NII論文ID
    130006998724
  • DOI
    10.14889/jhupo.2005.0.75.0
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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