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食性の異なる小型哺乳類の消化管内微生物叢の分子生態学的比較解析
Description
乳類の消化管内に共生する微生物叢は宿主における食物の栄養利用に大きく寄与している.このことについて近年では,16S rRNA遺伝子を指標とした解析が盛んに行われており,哺乳類の消化管内微生物叢の多様性は一般的に草食,雑食,肉食の順に高いことが示されてきた.しかし研究対象は大型哺乳類が殆どで,野生の小型哺乳類の消化管内微生物叢については不明な点が多い.そこで本研究では小型哺乳類で雑食性のアカネズミ(Apodemus speciosus)および昆虫食性のコウベモグラ(Mogera wogura)の消化管内微生物叢を明らかにし,その一端を解明す,ることを目的とした.宮崎県で捕獲したアカネズミの盲腸およびコウベモグラの腸管後半部分の内容物から微生物叢の 16S rRNAライブラリーを構築し,それぞれ 210および 206クローンの塩基配列を解析した.その結果,アカネズミでは Firmicutes門(62%)が最も優勢で,続いて Bacteroidetes門が多く観察され(30%),これまでに報告された哺乳類の消化管内微生物叢と同じような構成を示した.その一方でコウベモグラでは,Proteobacteria門(36%)と Actinobacteria門(34%)が同じような割合で検出されたが,これまでに報告された一般的な哺乳類の消化管内微生物叢とは大きく異なっていた.また得られた微生物叢の多様性の度合いを,シャノン指数(H’)を用いて評価し,これまでに報告された哺乳類の値と比較したところ,アカネズミ (H’=4.41)は雑食性哺乳類の中でも微生物叢の多様性が比較的高く,コウベモグラ(H’=4.67)の微生物叢は大型肉食動物と比較すると極めて高い多様性を示す事が分かった.以上の結果から,野生由来の小型哺乳類の消化管内には多様な微生物叢が生息していることが示唆された.
Journal
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- Primate Research Supplement
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Primate Research Supplement 29 (0), 258-, 2013
Primate Society of Japan
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680612887424
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- NII Article ID
- 130005471709
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed