社会の学としての霊長類学-順位・権力・平等性

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抄録

昨年に引き続き、人間を含めた霊長類の社会について、より幅広く豊かな理解を目指して議論をおこなう。今回はテーマを絞り、「順位・権力・平等性」に関する話題提供をしていただく。現在の霊長類学の標準的な理解では、優劣順位や平等性といった問題は主に社会生物学的背景から、「個体にとってのコストの最小化と利益の最大化」といった問題として一面的に捉えられることが多いと思われる。一方で、人類学や社会学といった学問領域では、古くから平等性や権力の問題は現代霊長類学とはまったく異なる理論的基盤の上に幅広い理解を生み出してきている。そのため一見似たような現象を扱いながら、霊長類学の知見と人類学や社会学といった他の学問領域の理解との間には大きな溝があり、学問領域間の対話が困難になっているという現状がある。<br> 本自由集会では、こうした問題意識のもとに、霊長類学、社会学、人類学の各領域から話題提供をしていただき、「順位・権力・平等性」という側面から「社会」についてのより深く幅広い議論を展開していきたい。<br><br>〈話題提供・コメンテーター〉<br>山田富秋(松山大・人文学部)、寺嶋秀明(神戸学院大・人文学部)、足立薫(立命館大・非常勤講師)、伊藤詞子(日本モンキーセンター)、中村美知夫(京都大・野生動物研究センター)、西江仁徳(京都大・理学研究科)<br>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680613014656
  • NII論文ID
    130006998979
  • DOI
    10.14907/primate.24.0.4.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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