紫外線による酸化ストレスと光老化

書誌事項

タイトル別名
  • UV-induced oxidative stress and photoaging

説明

紫外線の皮膚への慢性障害を光老化と総称するが、具体的には、しみ、しわ、皮膚癌を挙げることができる。それらの発症の過程に紫外線による酸化ストレスの関与が指摘されている。紫外線発癌においても。従来、その発症機序としてUVBが表皮の角化細胞の核に吸収されるとDNAにシクロブタン型ピリミジン二量体と(6-4)光産物を中心とする紫外線DNA損傷が生じ、癌関連遺伝子に修復されずに傷が残ることにより突然変異が生じ多段階発癌過程が進むことが原因と考えられてきたが、実際にヒトにおける紫外線発癌に与るのはシクロブタン型ピリミジン二量体と(6-4)光産物といったUVBによる直接的DNA損傷だけではなく、8-OHdGに代表されるようなUVBおよびUVAが体内の光増感剤などを介してひきおこす間接的なDNA損傷、すなわち、酸化ストレスによって生じる傷も関与することが明らかになってきた。私たちは酸化ストレスによって生じる 8-oxoGを修復することの出来ないマウスであるogg1ノックアウトマウスが紫外線発癌を起こしやすいことを報告した。  人の最外層である皮膚において、太陽光からのUVA、UVB両方の関与のもとに、それらの光線に対する表皮ならびに真皮に存在する種々の細胞によって引き起こされる生物反応の帰結として光老化がおこると考えられ、最近はUVAによってCPDが生じるという報告もあるので、波長毎にどのような反応が生じているかを分子レベルでみて行く必要がある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680616547840
  • NII論文ID
    130006999713
  • DOI
    10.11513/jrrsabst.2008.0.39.0
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ